札幌市内から車で1時間もかからない。 なのに、そこはもう別の世界だ。 奥手稲山。 標高1,000mを超える稜線に、誰もいない雪原が広がっている。 リゾートでも観光地でもない。 ただ、山がそこにある。 それだけで、来る理由になる場所だ。
奥手稲山のおすすめスポット
奥手稲山登山口|都市の端っこで、静寂が始まる
手稲ICを降りて、住宅街を抜けていく。
しばらくすると、急に道が細くなった。
舗装が終わり、砂利道になる。
そのあたりから、空気が変わる。
登山口に着いたのは朝8時すぎ。
駐車スペースには先客が2台だけ。
週末でもこの人の少なさが、奥手稲の正直なところだ。
ここは手稲山の奥、さらに奥にある。
「奥手稲」という名前そのまま。
アクセスが悪い分、静けさが保たれている。
冬は積雪が2mを超えることもある。
スノーシューがないと、まず動けない。
レンタルは事前に札幌市内で調達しておくべき。
1日2,000〜3,500円が相場だ。
準備不足で来る場所じゃない。
でもちゃんと備えてくれば、あとは山が全部やってくれる。
雪の稜線|ここまで来たか、と思った瞬間がある
樹林帯を1時間ほど歩くと、木々が切れる。
突然、視界が開ける。
そこから先が、奥手稲山の本番だ。
白い斜面が、空に向かってまっすぐ伸びている。
足跡がない。
風が雪面をなでている音だけがある。
山頂まではさらに1時間。
標高は1,045m。
たいした高さじゃない。
甘かった。
ラッセルで太ももが燃えるように痛かった。
それでも止まれない。
稜線の先に、何かがあると確信していたから。
山頂に立つと、札幌の街が見える。
石狩湾も見える。
こんな近くに、こんな景色があったのか。
気温はマイナス12℃。
でも風がなかったので、体感は思ったより穏やかだ。
晴れた日を選んで来ること。これが絶対条件。
下山後の手稲温泉|あの疲れを、湯が全部引き受けてくれた
下山後、まっすぐ温泉へ向かった。
手稲区内にいくつか日帰り温泉がある。
「手稲温泉ほのか」は登山口から車で20分ほど。
入浴料は770円。
タオルは持参したほうがいい。
露天風呂に浸かりながら、空を見上げた。
雲がゆっくり動いている。
足の感覚が、じわじわと戻ってきた。
山の中では気づかなかったけど、かなり消耗している。
湯船の中で初めてわかった。
館内の食堂で食べた味噌ラーメンが850円。
普通のラーメンだ。
でも、あれほどおいしく感じたことはない。
奥手稲山は、山だけじゃ完結しない。
下山後のこの一連があって、ようやく一日が終わる。
そういう旅だ。
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奥手稲山への行き方
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