羊蹄山の隣に、もうひとつの山がある。 尻別岳、標高1107m。 知る人ぞ知る、という言葉がよく似合う場所だ。 リフトも山小屋もない。 あるのは雪と、静けさと、山頂から広がる景色だけ。 それがいい。
尻別岳のおすすめスポット
尻別岳|誰もいない雪の斜面に、自分の足跡だけが続いていく
登山口は京極町側。
駐車スペースに車を停めたのは朝7時だ。
気温はマイナス12度。
息が白い。手袋を二重にした。
コースタイムは登り約3時間。
スノーシューを履いて歩き出す。
トレースがない日は、自分でラッセルしながら進む。
ふくらはぎに乳酸が溜まっていく感覚が、じわじわとくる。
樹林帯を抜けると、急に視界が開けた。
振り返ると羊蹄山がそこにいた。
完璧な円錐形。雪化粧。
この角度で羊蹄山を見られるのは、尻別岳だけだ。
山頂に着いたのは10時20分。
風が強かった。
でも立ち止まった。
360度、遮るものがない。
ニセコの山々、洞爺湖、天気がいい日は海まで見える。
ここまで来てよかったと、素直に思った。
京極温泉|登山後の体に、ここ以上の場所はない
下山してすぐ向かったのが京極温泉。
登山口から車で15分もかからない。
料金は大人700円。
シャンプーやボディソープは備え付けがある。
タオルは持参か200円でレンタル。
内風呂の湯温は41〜42度。
疲れた足を沈めた瞬間、思わず声が出た。
うめき声に近い何かだ。
ここのお湯はナトリウム-炭酸水素塩泉。
肌がすべすべになる、とよく言われるが、それよりも「回復する」感覚が強い。
体の奥から温まっていく感じ。
露天風呂から羊蹄山が見える。
尻別岳から眺めた羊蹄山を、今度は湯船から見る。
同じ山なのに、全然違う顔をしている。
こういう余韻が、山旅の醍醐味だ。
ふきだし公園|水を飲みに来る人がいる。それだけの水だ
京極温泉のすぐ隣にある、ふきだし公園。
羊蹄山の湧き水が、ここから湧き出している。
環境省の「名水百選」に選ばれた水。
ペットボトルを持った地元の人が何人もいた。
平日の午前中なのに。
それが答えだ。
実際に飲んでみる。
キンキンに冷たい。
口当たりが柔らかい。
ペットボトルの水とは、何かが違う。
説明できないけど、違う。
冬の公園は静かだ。
雪が積もっていて、足音が消える。
水が湧き続けている音だけが聞こえる。
無料で汲める。
持参の容器があれば何リットルでも。
帰りのクーラーボックスに入れて持って帰った。
翌朝のコーヒーが、いつもより美味しかった。
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尻別岳への行き方
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