稜線に出た瞬間、息が止まった。 ただの白じゃない。 光を含んだ雪面が、目の前にどこまでも広がっている。 愛別岳は、大雪山系の中でも「行くのをためらわせる山」だ。 それでも来てしまう。 あの頂上から見た世界が、ずっと頭を離れないから。
愛別岳のおすすめスポット
愛別岳|大雪山系で、最も近くて最も遠い頂
旭岳ロープウェイで標高1600mまで上がる。
片道1800円。
そこからが本番だ。
愛別岳は旭岳の隣に立つ。
でも「隣」というには、かなり険しい。
お鉢平を半周して、岩尾根を直登する。
ルートタイムで片道4〜5時間。
冬は全行程がアイゼン必須だ。
ピッケルも持っていったほうがいい。
甘く見ると、痛い目に遭う山だとすぐにわかった。
山頂直下の岩場は特に緊張した。
手も足も使って、岩に張り付くように登る。
風が強い日は、体ごと持っていかれそうになる。
それでも山頂に立った瞬間の景色は、全部帳消しにしてしまうほどだ。
トムラウシ、十勝岳、はるかに阿寒の山々まで見える。
冬晴れの日の大雪山は、反則だ。
お鉢平展望台|覗き込むと、少し怖くなる
愛別岳へ向かう途中、お鉢平の縁を歩く。
ここが、また凄まじい。
直径約2kmの火口跡。
底には有毒ガスが溜まっていて、動物の死骸が点在するらしい。
冬は雪で覆われて、無機質に白い。
縁から下を覗くと、吸い込まれるような感覚がある。
怖いのに、目が離せない。
そういう場所だ。
風が強い日はまともに立っていられない。
体感気温がマイナス20度を超えることもある。
ゴーグルをしていないと目が開けられない。
それでも晴れていれば、展望台から見渡せる360度のパノラマは圧巻だ。
大雪山の主稜線が全部見える。
ここだけで来た甲斐があった、と思えるほどの景色だ。
愛別岳まで行かなくても、ここで十分すぎると感じる人も多いはずだ。
旭岳ロープウェイ姿見駅|山に入る前の、最後の場所
姿見駅は標高1600m。
ロープウェイを降りた瞬間、空気が変わる。
下界と全然違う。
冷たさが、肌じゃなくて肺に直接来る感じだ。
駅の外には姿見の池がある。
冬は完全に凍って、雪の下に埋まっている。
それでも、旭岳の全景を見渡せるこの場所は特別だ。
出発前にここで15分くらい立っている。
これから行く稜線を目で追って、ルートを確認して。
緊張と、少しの高揚感。
売店では温かい飲み物が買える。
下山後に飲んだ甘酒が、震えるほど美味しかった。
トイレもここが最後だ。
山頂まで往復8〜10時間。
準備を整えるのは、ここで全部やっておく必要がある。
山の入口に立つ緊張感。
それも含めて、旅の一部だ。
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愛別岳への行き方
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