桜並木の奥に、土塁がそびえている。 江戸幕府がここに陣屋を構えたのは1855年。 北方警備のために、この北海道の地に。 観光地らしい賑わいはない。 でも、その静けさがちょうどいい。 春は約800本の桜が咲き誇る。 歴史と自然が、静かに重なる場所。
戸切地陣屋のおすすめスポット
戸切地陣屋跡|土塁の上から見えた、幕末の緊張感
駐車場から歩いて3分ほど。
看板も少ないし、人もほとんどいない。
最初は「本当にここ?」。
でも土塁が見えた瞬間、空気が変わった。
高さ約3メートルの土の壁。
手で積み上げたんだと、足が止まる。
四角形に囲まれた敷地は約1.8ヘクタール。
中に入ると、外の音が遮断される。
風の音だけが残る。
1855年、幕府はここに陣屋を置いた。
ロシアの南下を警戒して。
その緊張感の痕跡が、この土塁に残っている。
説明板を読んでも、読まなくても。
この空間に立つだけで、なにかが伝わってくる。
整備はされているけど、過剰じゃない。
そのバランスが、居心地よかった。
陣屋の桜|800本が咲く、誰も騒がない春
4月下旬に行った。
道路脇に桜が並びはじめた時点で、すでに感動している。
約800本のソメイヨシノが、陣屋を取り囲む。
「北海道三大花見名所」と呼ばれているらしい。
そんなランキングを知らなくても、圧倒される。
土塁と桜の組み合わせが、不思議と合う。
幕末の要塞跡に、満開の花びら。
この取り合わせは、ちょっと反則だ。
平日の午前中に行ったせいか、人が少ない。
桜の下にシートを広げている家族が数組だけ。
ざわつきがない花見って、こんなに贅沢なのか。
花びらが風に舞うたびに、シャッターを切った。
気づいたら1時間以上いた。
桜の見頃は例年4月下旬〜5月上旬。
函館からは車で30分もかからない。
もっと早く来ればよかった。
周辺散策|陣屋の外にも、静かな発見がある
陣屋の周囲を一周する。
ゆっくり歩いて30分くらい。
外濠の跡が残っている部分がある。
草に覆われかけているけど、形はまだわかる。
ここまで来ると、観光客はほぼゼロ。
鳥の声しか聞こえない。
近くに小川が流れている。
地図には載っていない小道が続いている。
別に目的地があるわけじゃないのに、歩きたくなる。
そういう場所だ。
陣屋の近くに「法亀寺のシダレザクラ」がある。
樹齢300年以上と言われている。
戸切地陣屋から車で5分ほど。
花見シーズンなら、セットで行く価値がある。
函館観光の定番ルートには入っていない。
でも、だからこそいい。
人混みに疲れた時に、ここに来ると回復する。
そういう場所が旅には必要だと、改めて思った。
モデルコース
戸切地陣屋への行き方
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