オホーツク海を見下ろす稜線に、誰もいない。 風の音だけが鳴っている。 斜内山(しゃないさん)は、紋別の北に静かに立つ山だ。 標高は低い。でも、あの景色は低い山のものじゃない。 冬に来る人は少ない。だからこそ、来る価値がある。
斜内山のおすすめスポット
斜内山登山口|冬の朝、トレースのない雪に踏み込む
登山口に着いたのは朝8時半だ。
駐車スペースに車は1台もない。
トレースがない。つまり、この日最初の人間だということ。
雪はしっかり締まっていて、ツボ足では少しきつかった。
スノーシューを持ってきて正解だ。
レンタルはないので、必ず自前で用意してほしい。
登り始めて20分ほどで樹林が開ける。
そこから先は風が強い。
体感温度がグッと下がった。
マイナス15度の日だ。
稜線に出た瞬間、声が出た。
オホーツク海が、全部見える。
流氷のシーズンなら、白い海が広がる。
その日はまだ流氷が来ていなかったけれど、水平線の青さが異様に濃かった。
山頂まで約1時間半。
急登はほぼない。でも冬は別の山になる。
滑落より、迷子に注意してほしい。
山頂稜線|流氷と空と、それだけの世界
山頂は広くない。
ぽっかりとした雪の台地が広がるだけだ。
ベンチも標識も、最低限しかない。
でも、その「何もなさ」が良かった。
1月下旬から2月上旬、流氷が接岸するとここから白い海が見える。
オホーツク海全体が凍っているように見える、あの光景だ。
実際に見た人の写真で知って、ずっと来たかった場所だ。
この日は流氷到来の少し前。
それでも、海の色と空の色の境界線が薄れるような、不思議な時間だ。
風が強い日は体が持っていかれる。
防風・防寒は本気でやってほしい。
ゴーグルがあると格段に楽になる。
山頂での滞在は15分が限界だ。
寒さより、名残惜しさの方が勝っている。
そういう場所だ。
下山後の興部町|温かいものを、静かな町で食べる
下山して車に戻ると、全身から力が抜けた。
あの解放感はどこから来るのか毎回わからない。
興部町の市街地まで車で30分ほど。
小さな町だ。コンビニは1軒だけだ。
昼は「道の駅 おこっぺ」に寄った。
地元の乳製品が充実していて、ソフトクリームを食べた。
冬に、外でソフトクリームを食べた。
おかしな話だけど、あれが美味しかった。
周辺はホタテの産地でもある。
紋別市内まで足を延ばすと、海鮮が食べられる店がある。
紋別は車で40分ほど。
宿は紋別市内の方が選択肢が多い。
興部町内にも宿があるが、予約は早めに。
冬の道東は、思った以上に選択肢が少ない。
あの山を登った後の温かい食事は、どこで食べても格別だ。
モデルコース
斜内山への行き方
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