煙を吐き続ける山が、目の前にある。 活火山が、道路のすぐそばにある。 それだけで、なんだかおかしくて、すごい。 昭和新山は、1943年に畑の中から突然隆起した山だ。 今もゆらゆらと噴気を上げている。 冬に来ると、雪と火山ガスが混ざり合って、この世のものとは思えない景色になる。
昭和新山のおすすめスポット
昭和新山|畑から生まれた山が、今日も煙を吐いている
標高398メートル。
数字で聞くと小さく感じるが、実物は迫力が違う。
溶岩ドームがそのまま固まったような、ごつごつした山肌。
色は黄土色と黒が混ざったような、独特の質感だ。
冬場は山頂付近から白い噴気が上がり、周囲の雪景色と対比が鮮やかだ。
「これ、本当に畑から出てきたの?」
そう思わずには、いられない。
地元郵便局長の三松正夫氏が観察記録を残し続けたことで、この山の誕生過程が世界に知られた。
観察小屋の展示パネルを読んでいたら、予想以上に時間が過ぎている。
麓から眺めるだけでも十分だが、冬はとにかく風が冷たい。
体感温度はマイナス10度を超える日もある。
カイロは2枚、ダウンは必須だ。
晴れた日の昼前、11時から13時あたりが光の具合がよくて、山肌がいちばんくっきり見える。
有珠山ロープウェイ|山頂から見下ろす洞爺湖に、言葉をなくした
昭和新山のすぐ隣に、有珠山のロープウェイ乗り場がある。
片道6分。
料金は往復で1800円。
乗った瞬間、真下に昭和新山が見える。
さっき自分が立っていた場所が、もうあんなに小さい。
山頂駅から展望台までは徒歩で8分ほど。
足元が凍っているので、滑り止めの靴底が絶対に要る。
スニーカーで来ていたら、途中で諦めている。
展望台に出た瞬間、目の前に洞爺湖が広がった。
湖の向こうに羊蹄山。
空気が澄んでいる冬は、輪郭までくっきり見える。
風が強くて、3分も外にいられない。
それでも何度も外に出た。
それくらいの景色だ。
冬季は積雪状況によって運休になることがある。
公式サイトで前日に必ず確認することを勧める。
運がよければ雪煙が舞い上がる瞬間に立ち会える。
三松正夫記念館|郵便局長が記録した、山が生まれた日々
ロープウェイ乗り場の近くに、小さな記念館がある。
入場無料。
地味な外観だが、中身は濃い。
三松正夫氏が書き続けた「ミマツダイヤグラム」という観察記録が展示されている。
農地が隆起していく様子を、日付ごとに記録したもの。
当時の写真と見比べると、畑が本当に山になっていくのがわかる。
ただただ、震えた。
自然の力というより、それを記録し続けた人間の執念に。
館内は20分あれば一通り見られる。
でも、じっくり読み込んでいると1時間近く経っている。
係の方が話しかけてくれて、当時の話を少し聞かせてもらった。
「噴火が始まったとき、農家の方は最初なんだかわからなかったそうです」
その一言が、展示パネルより記憶に残る。
団体客が少ない平日の午前中が、ゆっくり見られておすすめだ。
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昭和新山への行き方
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