オホーツク海沿いを北上すると、急に小さな街が現れる。 枝幸。 読み方すら知らなかった町に、温泉があると聞いて来た。 冬の道北は容赦ない。 気温はマイナス15度を下回る日もある。 だからこそ、湯に浸かったときの落差が、全身に刺さった。
枝幸温泉のおすすめスポット
枝幸温泉ホテルニュー幸林|マイナス15度の外気から、源泉へ飛び込む
車を降りた瞬間、鼻の奥が痛くなった。
それくらい寒い。
1月の枝幸は、冗談じゃない寒さだ。
玄関を入ると、硫黄のにおいがふわっとくる。
「ちゃんと温泉だ」と思った瞬間、少し気持ちが緩んだ。
源泉は単純硫黄泉。
湯温は41度ほどで、長く入れるちょうどいい熱さ。
露天風呂に出ると、雪が積もった木々が目の前に広がっている。
湯気と冷気が混ざり合って、なんとも言えない空気になっている。
地元のおじさんが「ここの湯は肌がつるっとなる」と言っている。
確かに上がったあと、肌がやわらかくなった気がした。
日帰り入浴は大人600円。
朝10時から入れるので、宿泊しなくても立ち寄れる。
温泉のあとに出てくる外の寒さも、もう怖くない。
オホーツク海岸沿いの街歩き|流氷が来る前の、静かな海を見た
温泉の後、ふらっと海岸へ出た。
1月下旬、流氷はまだ来ていない。
でも海は鉛色で、波も荒く、明らかに「冬の海」だ。
枝幸の中心部は、国道232号沿いにコンパクトにまとまっている。
歩いて20分もあれば、端から端まで歩ける。
人は少ない。
車が通るたびに、雪がしゅっと舞う。
漁港の近くに小さな鮮魚店があった。
毛ガニとタコが並んでいた。
毛ガニ1杯で2,500円。
東京のスーパーで見るものとは、別物の大きさだ。
地元の人に話しかけたら「今年は流氷、2月の頭には来るかもな」と教えてくれた。
流氷が接岸する時期に来れたら、この海が白く埋まるらしい。
それを想像したら、また来たくなった。
観光地らしい何かがあるわけじゃない。
でも、この静けさ自体が目的になる場所だ。
道の駅マリーンアイランド岡島|毛ガニを、その場で食べた朝
翌朝、チェックアウト前に道の駅に寄った。
朝9時に開いている。
これが地味にありがたかった。
入ったら、すぐに水槽が目に入った。
毛ガニが動いている。
生きている。
地元の人が「朝早く来た方がいい」と言っていた意味がわかった。
午前中の方が状態のいいものが並んでいる。
その場で茹でてもらったカニを、店の外のベンチで食べた。
マイナス10度の中で、湯気の出るカニを食べる体験は、なかなかできない。
指がかじかんで、殻を剥くのに手間取った。
でも身は甘くて、味噌が濃くて、笑いが出た。
お土産コーナーにはカニ飯の素(1,080円)や、ホタテの加工品も並んでいた。
地元産のものが多く、変に観光地化されていない。
ここで買い物するのが、旅の最後の楽しみになった。
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枝幸温泉への行き方
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