干潮の時間に合わせて、砂浜に温泉が湧き出る。 そんな場所が北海道にある。 函館から車で約2時間、南茅部の海岸線を走ると、 突然その光景が目に飛び込んでくる。 冬の日本海、灰色の空、波の音。 その中に、湯気を立てるいくつもの湯だまり。 「ここ、本当に無料なの?」と思わず声が出た。
水無海浜温泉のおすすめスポット
水無海浜温泉|波打ち際で、湯につかる非日常
潮が引いた砂浜に、自然と湯が湧く。
その温度は約40〜42℃。
ちょうどいい。
脱衣所は簡素なものが1棟あるだけ。
鍵はかからない。
荷物は自己管理だ。
入浴は無料。
ただし干潮の前後2時間が勝負。
満潮になると湯船ごと海に沈む。
時間を調べてから来ることが絶対条件だ。
冬に来たのは正直、冒険だ。
気温は−3℃。
でも、お湯の温度が体を温めてくれる。
湯から出た瞬間の寒さが、また湯の温かさを引き立てる。
目の前は津軽海峡。
天気が良ければ下北半島が見えるという。
その日は雪がちらついている。
それでも、よかった。
むしろ、それがよかった。
地元のおじさんが「冬が一番いいんだ」と言っていた意味が、入って5分でわかった。
恵山の冬景色|火山と海と、静けさだけがある
水無海浜温泉から車で10分ほど走ると、恵山が見えてくる。
活火山だ。
夏は登山客でにぎわうが、冬は静かだ。
ほとんど人がいない。
その静けさが、妙に心地よかった。
道路沿いから眺めるだけでも十分に迫力がある。
硫黄の匂いがかすかに漂う。
山肌から白い煙が立ち上る。
海と火山が隣り合っている風景は、
北海道でもここにしかない気がした。
温泉の後、体が温まったまま車を停めて外に出た。
冷たい潮風が顔に当たる。
山を見上げる。
なんでもない時間のはずなのに、
ずっと覚えていたい。
道の駅なとわ・えさん|地元の人が普通に使う場所
温泉から車で5分ほど。
道の駅がある。
観光地っぽくない。
そこがいい。
地元の人がお茶を飲んでいる。
漁師風のおじさんが新聞を読んでいる。
そういう場所だ。
海産物の直売コーナーには、昆布がどっさり並ぶ。
このあたりは真昆布の産地だ。
100gで400円くらいのものが、スーパーより明らかにいいものだ。
食堂では「磯ラーメン」を食べた。
昆布だしが効いたスープ。
ホタテ、つぶ貝、わかめがのっている。
950円。
あっという間に食べ終えた。
温泉に入って、飯を食って、昆布を買う。
それだけでいい旅になる。
ここはそういう場所だ。
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水無海浜温泉への行き方
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