北海道の積丹半島の付け根に、ひっそりと立つ山がある。 泊山、標高は低い。 でも冬に登ると、息が止まった。 眼下に日本海が広がって、雪と空と海の境界がなくなる。 そんな景色を見た。 人も少ない。 看板も少ない。 だから、自分だけが知っている場所みたいな気がした。
泊山のおすすめスポット
泊山山頂|雪原の向こうに、日本海が溶けている
登山口から山頂まで、約40分。
標高は275メートル程度だから、「登山」というより「散歩の延長」に近い。
でも冬は違う。
膝まで埋まる新雪をラッセルしながら進む。
その先にあるものが、あまりにも大きかった。
山頂に出た瞬間、風が止んだ。
正確には止んだように感じた。
視界が一気に開けて、白い斜面の下に濃いブルーの日本海が広がっている。
晴れた日の10時ごろが一番光が入る。
雪面がキラキラして、目を細めないと見られない。
観光地ではない。
リフトもない。
カフェもない。
その「何もなさ」が、ここの正直なところだ。
静かに雪を踏んで、静かに景色を受け取る。
それだけの場所だ。
泊村の海岸線|登山の後に、日本海を間近で見た
山を下りて、海岸に出た。
車で5分もかからない。
冬の日本海は荒い。
波が岩に当たって、白い飛沫が上がる。
夏のそれとは全然違う表情だ。
地元の人が言っている。
「泊の海は冬が本番だよ」と。
その意味が、波音を聞いてわかった気がした。
観光客はほぼいない。
漁港には作業中の漁師がいるだけ。
コンビニは近くにない。
泊原子力発電所が遠くに見える独特の風景もある。
ここに来る人は「通りすがり」ではない。
目的を持って来る場所だ。
静かで、少し孤独で、それが逆にいい。
冬の北海道の正直な顔を見た気分だ。
道の駅 とまりん館|体が冷えたら、ここに逃げ込む
冬に泊山に来るなら、ここは必ず抑えておく。
道の駅「とまりん館」。
外が−10℃近くなっても、中は暖かい。
地元の海産物が売っていて、ウニやタコの加工品が並んでいる。
値段は市場より少し安い印象だ。
食堂でラーメンを食べた。
700円台。
飛び抜けてうまいわけじゃない。
でも体が冷えた後の温かい汁物は、それだけで正解だ。
ここで気づいた。
泊山周辺には、洒落たカフェや映えスポットは皆無だ。
それを求めて来ると、がっかりする。
でも「本物の冬の北海道」を体で感じたい人には、むしろ正直な場所だ。
道の駅を出ると、また雪と静寂が待っている。
その繰り返しが、泊の旅だ。
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泊山への行き方
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