名前からして、すでにただ者じゃない。 泣面山。 北海道の山にこんな名前がついているとは知らない。 標高はそれほど高くない。 でも、冬に足を踏み入れたとき、息が止まった。 雪が、光が、静けさが、全部本物だ。 ここには、余計なものが何もない。
泣面山のおすすめスポット
泣面山|雪に埋まった稜線で、自分の呼吸音だけが聞こえる
登山口に着いたのは朝7時半。
気温はマイナス12度だ。
手がかじかむより先に、景色に目を奪われた。
雪はふかふかで、踏み込むたびに沈む。
トレースはほとんどない。
自分が最初に歩いているような感覚。
稜線に出るまで約1時間半。
急登は序盤だけで、あとは静かな尾根歩きが続く。
山頂に近づくほど、木が減っていく。
視界が開けていく。
そして突然、全部が白くなった。
360度、雪と空だけ。
音がない。
風もこの日はほぼない。
泣きたくなるというより、何も言えなくなる感じ。
そういう場所だ。
山名の由来は諸説あるらしいけど、こんな景色を見たら納得する気もした。
登山前の準備|道の駅で買った豚汁が、出発前の全てだ
冬山に入る前日、近くの道の駅に寄った。
地元の野菜と豚肉が入った豚汁、400円。
これが正直、旅で一番うまいものだっただ。
北海道の冬山を甘く見てはいけない。
装備の確認を怠ると、本当に危ない。
この日持っていったもの:
スノーシュー、軽アイゼン両方、ホッカイロ10個、行動食、2Lの水(凍らないよう内ポケットへ)。
ウェアは上下ともにメリノウールのベースレイヤーが正解だ。
汗冷えが段違いに少ない。
登山口付近に駐車スペースはある。
ただしトイレはない。
麓で済ませておくのが絶対条件。
地元の人に話を聞いたら「この山、慣れた人でも冬は油断しない」と言っている。
その言葉が、ずっと頭の中に残っている。
下山後の温泉|体の芯まで冷えた日は、ここしかない
下山したのは13時過ぎ。
体は動いていたけど、指先の感覚が薄かった。
迷わず温泉へ向かった。
北海道の山の近くには、たいてい温泉がある。
それだけで北海道の山は好きだ。
浴槽に足を入れた瞬間、声が出た。
熱いのか、痛いのか、気持ちいいのか、全部一緒になった感じ。
料金は500〜700円ほどのところが多い。
タオルは持参が無難。
サウナに入って、外に出て、空を見上げた。
雪がまたちらついている。
今日歩いた山が、あの雲の向こうにある。
そう思ったら、また来たくなった。
冬の北海道の山は、そういう中毒性がある。
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泣面山への行き方
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