道北の果て、クッチャロ湖のほとりに小さな温泉がある。 最寄りのコンビニまで車で20分以上かかる場所。 そこまで来て、やっと辿り着く湯がある。 冬に来ると、湖面が凍りついて白鳥が消える。 しんと静まり返った景色の中で、ひとりぬるい湯に浸かる。 それだけで、もう十分だと思ってしまう場所だ。
浜頓別温泉のおすすめスポット
浜頓別温泉ウィング|湖の縁で、誰にも邪魔されない時間
チェックインしたのは夕方4時ごろだ。
フロントのスタッフが2人、ロビーに客は自分だけ。
そういう静けさが、ここには漂っている。
大浴場に入って驚いた。
窓の向こうにクッチャロ湖が広がっている。
冬の湖は鉛色で、遠くに雪原が続いている。
湯温は41度くらい。
ぬるすぎず、熱すぎない。
長く浸かっていられる温度だ。
ナトリウム塩化物泉で、出た後もじんわり温かさが続く。
露天風呂は小さい。
2〜3人入ればもういっぱいになる。
でも冬の空気の中、湯けむりの向こうに湖が見える。
1月に来ると、−15度の中で入ることになる。
その極端さが、むしろ癖になる。
素泊まりで1泊6,000円台から。
食事なしでも、町内の食堂を使えばいい。
そのくらいの身軽さで来るのが合っている場所だ。
クッチャロ湖|凍る湖と、消えた白鳥の話
10月下旬から11月にかけて、白鳥が何千羽も飛来してくる。
多い年には1万羽を超えると地元の人が言っている。
1月に行ったとき、白鳥はもういない。
湖面は完全に凍りついている。
岸辺に立つと、風の音しかしない。
それだけで、なぜかぞくっとした。
湖の周りを歩くと30分くらいかかる。
道はほぼ真っ平らで、雪さえあれば歩けた。
途中にはまりも展望台がある。
夏はマリモが生息しているらしい。
冬には何もないけれど、それでも眺めがよかった。
はまとんべつ水鳥・湿地センターという施設が湖畔にある。
入館無料で、クッチャロ湖の自然を丁寧に説明している。
スタッフのおじさんが白鳥の渡りの話を30分してくれた。
そういう時間が旅の核になることがある。
温泉の真横にあるので、セットで行くのがいい。
浜頓別の町歩き|何もないと思っていたら、見つけてしまった
正直に言うと、町には期待していない。
人口3,000人台の町。
メインストリートを歩いたら5分で端まで来た。
でも商店街の外れに小さな食堂があった。
「お食事処 きた」という名前だ。
ランチに頼んだ塩ラーメンが850円。
出汁が澄んでいて、飲み干すやつだ。
帰り際に寄ったのが「浜頓別町立図書館」の隣にある郷土資料室。
町の漁業の歴史が写真で残されている。
昭和初期の浜頓別の写真が面白くて、20分見てしまった。
夕方になると、商店がぱらぱらと閉まっていく。
6時には町が静かになる。
そのリズムに合わせて温泉に入り、部屋に戻る。
不便だとは思った。
でも不便さの中に、余白があった。
スマホをあまり見なくなる。
そういう時間が、たまに必要だ。
モデルコース
浜頓別温泉への行き方
HUB CITY
札幌(拠点都市)から行ける旅先を見る →