斜里岳の隣に、こんな山があったのか。 海別岳を知ったのは、地元のガイドから聞いた一言だ。 標高1419m。登る人は少ない。 でもその分、手が入っていない景色がそのまま残っている。 オホーツク海を見下ろしながら歩く稜線は、ここでしか味わえない空気があった。
海別岳のおすすめスポット
海別岳登山口|誰もいない、静けさの入口
登山口に着いたのは朝6時半。
駐車スペースには車が1台もない。
冬の斜里は気温がマイナス8度。
吐く息が白く固まるように広がった。
夏道とは違い、雪に埋まったルートを自分で読みながら進む。
トレースがないことも多い。
GPSと地形図は必須だ。
登り始めると、すぐに針葉樹の森に入る。
風がほとんどない。
雪が枝に積もったまま、静止している。
音がない。
本当に、音がまったくない。
この静けさを求めて来た人間には、最高の出迎えだ。
コースタイムは山頂まで片道約4〜5時間。
体力と装備は相応のものが要る。
山頂稜線|オホーツク海が、全部見える
稜線に出た瞬間、風が来た。
体ごと持っていかれそうな強さだ。
それでも目が離せない。
オホーツク海が、地平線まで広がっている。
流氷シーズンの2月、海の表面が白く染まっている。
それを1400m上から見下ろしている。
知床連山が右手に並んだ。
羅臼岳、硫黄山、国後島まで見える。
「全部見えた」という感覚は、こういうことだったのか。
山頂は標高1419m。
アンテナ施設がひとつあるだけで、あとは雪と風だけ。
誰とも会わない山頂に30分いた。
寒くて、でも離れたくない。
晴れている日は限られる。
この景色は、運が良くないと見られない。
だからこそ、見えたときの重さが違う。
下山後の斜里|体が冷えたまま、温泉に滑り込む
下山してすぐ、体の芯まで冷えている。
指先の感覚がない。
向かったのは斜里温泉「しれとこ」。
登山口から車で約20分。
入浴料は500円だ。
お世辞にも豪華な施設ではない。
小さな浴場、地元の人が数人。
でも湯が熱くて、体の奥から温まった。
湯から上がってロビーで缶コーヒーを飲んだ。
外はまだ雪が降り始めている。
窓越しに雪を見ながら、山のことを思い返している。
「あそこに行ってきた」という感覚が、ゆっくり落ちてきた。
派手な達成感ではない。
静かな満足感があった。
斜里の町は小さい。
食事も早めに済ませることを勧める。
営業している店が18時には閉まる場所もあった。
モデルコース
海別岳への行き方
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