北海道の果て、紋別郡に渚滑岳はある。 標高1,350m。知名度は低い。 でも、冬のあの山を一度見たら忘れられない。 白く凍った斜面が、朝日を浴びて金色に光る瞬間がある。 誰もいない。風の音だけがする。 そういう場所が、北海道にはまだ残っている。
渚滑岳のおすすめスポット
渚滑岳登山口|静寂の入口、ここから別世界が始まる
国道242号から林道に入ると、急に静かになる。
アスファルトが途切れ、砂利道になる。
車を走らせること約8km。
登山口の駐車スペースに着いた。
冬季は除雪されない。
スノーシューかバックカントリー装備が必要だ。
夏と冬で、まったく別の山になる。
標識は最低限しかない。
地図とコンパスを持ってこなかった人は引き返したほうがいい。
本気でそう思った。
早朝5時半に着いたとき、駐車場には1台も車がない。
その孤独感が、逆に気持ちをシャキッとさせた。
山が「来い」と言っている感じがした。
渚滑岳山頂|360度の雪原、言葉が出ない
登り始めて約3時間半。
樹林帯を抜けると、急に視界が開ける。
山頂直下の斜面は傾斜がきつい。
息が上がる。足が重い。
でも振り返ると、紋別の海が見える。
オホーツク海が、白く凍っている。
山頂は標高1,350m。
気温はマイナス18度だ。
顔が痛い。でも動けない。
どこを向いても雪と空しかない。
大雪山系の峰々が横一列に並んでいる。
北に向けば知床の山影もある。
あの景色は、写真には収まらない。
15分で体が限界になって下山した。
それでも、来てよかった。
心の底からそう思った山頂だ。
滝上町市街|下山後の温もり、小さな町の底力
山から下りてきたとき、体の芯まで冷えている。
気温差が20度以上ある。
滝上町の「香りの里たきのうえホテル渓谷」に駆け込んだ。
日帰り入浴が600円で使える。
湯船に浸かった瞬間、声が出た。
何も考えられなくなった。
ただ温かかった。
町は小さい。
コンビニは1軒。飲食店も数えるほどだ。
でも、地元のスーパーで買った惣菜が妙に旨かった。
夕方4時を過ぎると、あたりは暗くなる。
星が出るのが早い。
夜、駐車場で空を見上げたら、天の川があった。
冬の北海道の夜空は、反則だ。
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渚滑岳への行き方
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