フェリーに乗って、2時間。 北海道の離島の中でも、焼尻島はとびきり静かだ。 人口は200人を下回る。 コンビニはない。 信号もない。 でも、その「何もなさ」を目当てに来る人たちがいる。 オンコの原生林、草原を歩くサフォーク羊、地平線まで続く海。 ここにしかない時間の流れ方が、確かにあった。
焼尻島のおすすめスポット
オンコ原生林|樹齢300年の木の下で、時間の感覚がなくなる
島の北側に、突然現われる。
オンコ(イチイ)の木が密集した、薄暗い森だ。
樹齢300年を超えるものも珍しくない。
幹が複雑にねじれて、地面すれすれまで枝を伸ばしている。
正直、最初は怖かった。
昼間なのに光がほとんど差し込まない。
足元はふかふかした苔と落ち葉で、音が消える。
歩いていると、30分があっという間に過ぎた。
時計を見ていない。
そういう場所だ。
散策路は一周約1時間。
道は整備されているようで、されていない。
滑りにくいスニーカーは必須だ。
早朝6時頃に来ると、鳥の声だけが聞こえる。
その静けさは、ちょっと異常なくらい気持ちよかった。
焼尻島の草原と羊|柵の向こうで、サフォーク羊がのんびり草を食んでいた
港から少し歩くと、突然視界が開ける。
緑の丘に、白い塊がいくつも動いている。
サフォーク羊だ。
顔と足が黒い、あの羊。
焼尻島では古くから羊が飼われてきた。
現在も島の牧場で放牧されている。
柵越しに見ていたら、1頭がこちらをじっと見てきた。
目が合って、動けなくなった。
3秒後、向こうが飽きて草に戻った。
完全に負けた気がした。
草原の奥には海が見える。
羊と日本海の組み合わせは、北海道本島ではまず見られない景色だ。
羊毛や羊肉の加工品は島内の直売所で買える。
ジンギスカンセット1人前1,200円前後。
持ち帰りで買って、本土で食べたら異様においしかった。
春から秋が放牧期間。
冬は羊舎に入るので、草原で会いたいなら5月〜10月が狙い目だ。
焼尻郷土館|島の漁師たちの生活が、ガラスケースの向こうにある
港のすぐそばにある、小さな郷土館だ。
入館料は200円。
中に入ると、ニシン漁全盛期の道具や写真が並んでいる。
明治時代、この島は北海道でも有数の漁業地帯だ。
今の人口から想像もできないくらい、人があふれていたらしい。
展示物は地味といえば地味だ。
でも、スタッフの方が話しかけてくれた。
「うちの祖父がここで働いていた」と。
急に展示が立体的になった気がした。
建物自体も古く、昭和初期の木造校舎を改修したもの。
床を歩くとぎしぎし鳴る。
滞在は30〜40分あれば十分だ。
でも、島の歴史を知ってから外を歩くと、見えるものが少し変わる。
フェリーの待ち時間に立ち寄るのがちょうどいい。
港から徒歩3分だ。
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焼尻島への行き方
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