積丹半島の付け根に、ひっそりと湯が湧いている。 盃温泉。 読み方は「さかずき」。 日本海に面した小さな漁村に、その温泉はある。 冬に行くと、波の音と風の音しか聞こえない。 観光地の賑やかさは、ここにはない。 それがいい。
盃温泉のおすすめスポット
盃温泉|日本海を見ながら、ひとりで湯に浸かる夜
温泉宿は数軒だけ。
そのうちのひとつに泊まった。
湯は少し茶色がかった塩化物泉。
なめると、はっきり塩辛い。
体の芯までじわじわ温まる系の湯だ。
露天から日本海が見える。
冬の海は荒れている。
波が砕けて、白く飛んでいた。
ほかに誰もいない。
湯船の縁に腕を乗せて、ぼーっと波を見ている。
30分くらい、そうしていた気がする。
温泉として特別すごいわけじゃない。
でも、あの景色と静けさは代えがきかない。
夕食は海鮮だ。
タコと甘エビ。
どちらも積丹産。
値段の割に量が多くて驚いた。
夕食付き1泊で1万円台前半から泊まれる宿もある。
盃漁港周辺|冬の朝、漁村を歩いてみた
朝6時半に宿を出た。
まだ暗かった。
漁港まで歩いて5分くらい。
小さな船がいくつか停まっている。
漁師さんが黙々と準備している。
声はかけない。
ただ眺めている。
集落の道はほぼ人がいない。
民家と倉庫と海だけがある。
電線の上にカモメが並んでいた。
冬の積丹半島は観光客がほとんど来ない。
そのぶん、地元の時間の流れがそのままある。
30分ほど歩いてみると、
廃業した民宿の看板が何枚かあった。
かつてはもっと賑わっていたんだろう。
朝7時頃、ようやく空が明るくなってきた。
日本海がオレンジ色に染まった。
スマホを出したが、うまく撮れない。
あの色は、画面に収まらない。
道の駅・とまりん|帰り道に寄った、泊村の玄関口
盃温泉から車で15分ほど南下すると、泊村の道の駅がある。
正式名称は「道の駅 とまりん」。
地元の魚介類が並んでいた。
タコの干物が山積みになっている。
1袋600円。
買った。正解だ。
温泉施設も併設されている。
大人500円。
泊温泉が引かれていて、湯の質はいい。
タオル持参か有料レンタルで対応できる。
帰りの高速に乗る前の最後の休憩地点として使い勝手がいい。
売店の人に「どこから来たの?」と聞かれた。
「札幌から」と答えたら、「よくこんな季節に来たね」と笑われた。
そうか、冬の盃は来る人が少ないのか。
それでも来てよかった。
静かな場所には、静かな季節が似合う。
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盃温泉への行き方
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