ヒグマが、本当にいる。 そのことを頭でわかっていても、 足跡を目にした瞬間、体が固まった。 知床は「秘境」という言葉が軽く感じるほど、 圧倒的な自然がそのまま残っている場所だ。 道路が途切れ、人が入れない先に、 この島の本当の姿がある。
知床国立公園のおすすめスポット
知床五湖|静寂の中で、野生と目が合う
早朝6時に駐車場に着いた。
ほかの車は2台だけ。
高架木道を歩き始めると、すぐに霧が出てきた。
五湖のうち、高架木道で行けるのは一湖だけ。
残りの四湖はレクチャーを受けてから入るルール。
このレクチャーが思いのほか真剣で、
「ヒグマに遭遇した場合」の話を聞いて、
少しだけ怖くなった。
湖面に知床連山が映り込んでいる。
風がない。
カメラを構えていたら、シカが1頭、
水辺に降りてきた。
動かないでいたら、向こうも動かない。
10秒くらい、見つめ合った。
こういう瞬間が、知床にはある。
待って得られるものじゃなく、
たまたま、そこにいるだけで起きる。
高架木道は無料。地上遊歩道は1人250円(自然保護協力金)。
所要時間は高架木道で約40分。
カムイワッカ湯の滝|川が温泉になっている、という事実
「川を登っていくと温泉になる」
そう聞いても、正直ピンとこない。
実際に行ったら、本当にそうだ。
沢を裸足で登っていく。
足元がぬるい。
だんだん熱くなる。
ある地点から、明らかに温度が変わった。
硫黄のにおいがした。
一の滝のあたりで、湯気が上がっている。
岩に腰を下ろして、足だけつけた。
40℃くらいはあった。
山の中の川が、温泉になっている。
それだけのことなのに、
なぜかずっと感動が続いた。
注意点として、道路が7月下旬〜10月のみ通行可能。
さらにシャトルバスに乗り換えが必要な時期もある。
事前に斜里バスのサイトを確認しておいた方がいい。
裸足で岩を歩くため、
滑りにくいサンダルは必携だ。
知床岬クルーズ|陸から行けない先を、船で見る
道路は羅臼側も斜里側も、知床岬まで届いていない。
その先は、船か、足か。
ウトロ港から出る知床岬コースのクルーズに乗った。
所要時間は約5時間30分。料金は大人約9,000円。
高いと思ったが、行ってよかった。
岸壁に、ヒグマが1頭いた。
船が近づいても、逃げない。
悠然と草を食んでいた。
プユニ岬を過ぎたあたりから、
人の痕跡がなくなる。
道もない。建物もない。
岩と海と、緑だけ。
知床岬に近づくころ、
乗客が全員無言になっている。
何かを話す気になれない。
陸から見る知床と、海から見る知床は、
まったく別の場所だ。
天気と波次第でクルーズが中止になることも多い。
予備日をスケジュールに入れておくべきだ。
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知床国立公園への行き方
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