フェリーを降りた瞬間、風が違う。 本土とは明らかに空気の密度が違う。 礼文島は、北緯45度。 冬になると観光客はほぼいなくなる。 そこに温泉がある。 荒れた日本海を窓越しに見ながら、 ひとりで湯に浸かる時間。 それだけで、来た意味があった。
礼文島温泉のおすすめスポット
礼文島温泉 うすゆきの湯|冬の日本海を、湯の中から見る
稚内からフェリーで約2時間。
香深港に着いたのは、もう夕方近かった。
宿に荷物を置いてすぐ、温泉へ向かった。
「うすゆきの湯」は、香深港から歩いて5分くらい。
こぢんまりした建物だけど、中に入ると広い。
料金は大人600円。
タオルは持参が無難だが、フロントでも買える。
内湯は少し熱め、42度前後くらいの感覚。
そして露天に出た瞬間、息を飲んだ。
目の前に海がある。
日本海が、すぐそこにある。
冬の低い雲と、灰色の水面が広がっている。
風は冷たくて、頬に刺さる。
でも湯の中は熱い。
その温度差が、妙に気持ちよかった。
平日の夕方、先客は地元のおじさん2人だけ。
「どこから来たの」と聞かれた。
こういう会話が、温泉旅の醍醐味だ。
営業は朝10時から夜9時まで。
冬は早めに閉まる日もあるらしいので、事前確認を推奨する。
香深の集落歩き|冬の港町は、静かすぎるくらいだ
温泉の後、集落を少し歩いた。
夏なら花畑で有名な礼文島も、
冬は完全に違う顔をしている。
商店は2〜3軒しか開いていない。
コンビニはない。
自販機の数が異様に少ない。
でも、それがよかった。
港に向かうと、漁船が数隻並んでいた。
誰もいない。
波の音だけが聞こえる。
地元のスーパーで買い物をした。
ウニは夏の商品なので当然なかったが、
地元産のタラが安かった。
1本まるごと400円くらいだった気がする。
夕方5時を過ぎると、もう人が出歩かない。
街灯が少なくて、空が暗い。
星がはっきり見える。
礼文島の冬は、本当に静かだ。
その静けさが怖いと感じる人もいる。
でも、日常の音から切り離されたくて来る人には、
ちょうどいい静けさだ。
礼文島の宿と食|島の夜は、思ったより深かった
冬の礼文島で泊まれる宿は、多くない。
通年営業しているのは数軒程度。
今回は民宿に泊まった。
1泊2食で8,000円台だ。
夕食に出てきたのが、ホッケの開き。
これが本当に大きかった。
顔くらいある。
しかも身が厚い。
本土のスーパーで売っているものとは別物だ。
宿のおばちゃんに聞いたら、
「冬のほうが脂がのって美味しいんだよ」と教えてくれた。
夜8時を過ぎると、島全体が静まり返る。
宿の外に出てみた。
風が強くて、立っていると体が揺れた。
気温はマイナス5度くらい。
でも空を見上げると、星がすごかった。
天の川が見える。
久しぶりに見た気がした。
礼文島の冬旅は、快適ではない。
フェリーが欠航することもある。
予定通りに帰れないことも覚悟した方がいい。
それでも、一度は来てみる価値がある。
静かな島の冬というものを、体で知ってほしい。
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