積丹半島の付け根に、ひっそりと湯煙が立つ。 神威脇温泉は、派手さがまったくない場所だ。 看板もほとんどない。 地元の人に教えてもらわなければ、通り過ぎている。 でも、その湯に一度つかると、なぜかまた来たくなる。 冬の日本海を眺めながら、ただ黙って浸かる時間があった。
神威脇温泉のおすすめスポット
神威脇温泉保養センター|200円で、日本海が目の前に広がる
入浴料は大人200円だ。
その安さに少し構えている。
脱衣所は昭和のまま止まっている。
ロッカーは木製で、ドライヤーは有料10円。
でも浴場に入った瞬間、そんなことはどうでもよくなった。
窓の向こうに、日本海がある。
岩場と、灰色の波と、冬の空。
41度くらいの熱めの湯に肩まで沈むと、全部が静かになった。
地元のおじさんが何人かいた。
誰もスマホを見ていない。
こういう温泉が、まだあったんだ。
泉質はナトリウム塩化物泉。
肌がすべすべになる。
湯上がりにほてりが続くのも、ここの特徴だ。
朝7時から開いている。
朝一番に入って、誰もいない浴場で海を見るのが、最高の使い方だ。
神威脇の海岸線|冬だから、人がいない。それがいい。
温泉の目の前に、すぐ海がある。
砂浜ではない。
大きな岩が並ぶ、荒々しい海岸線だ。
夏はウニ漁の漁師がいるらしい。
冬は、誰もいない。
風が強くて、5分も立っていると耳が痛くなる。
でも、その冷たさが気持ちよかった。
温泉で温まった体に、海風が刺さる。
このセットが完成形だ。
波の音だけが聞こえる。
カモメが一羽、岩の上にいた。
カメラを向けたら、逃げない。
積丹ブルーと言われる海の色は、夏のものだ。
冬の海はもっと暗くて、重くて、なんか怖い。
でもその怖さが、ここまで来た実感になった。
防寒はしっかりしていくこと。
ダウンとネックウォーマーは必須だ。
それでも寒かった。
積丹町神威脇の集落散歩|昭和が、ここだけ残っている
温泉の周りを少し歩いてみた。
30分もあれば、だいたい見て回れる小さな集落だ。
廃屋がいくつかある。
漁師の家だったんだろう、。
網が干してあって、軽トラが停まっている。
まだ人が住んでいる家も、確かにある。
雑貨屋は見つからない。
自動販売機が1台あった。
缶コーヒーを買って、海を見ながら飲んだ。
100円だ。
集落の中に小さな神社があった。
鳥居は古くて、少し傾いている。
でも、ちゃんと手入れされている。
ここに暮らす人たちが、今もいる証拠だ。
観光地ではない。
みやげ物屋もない。
Instagram映えもしない。
それでも、来てよかった。
旅ってこういうことだ、と
缶コーヒーを飲みながら、ぼんやり思った。
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神威脇温泉への行き方
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