旭川の市街地から車で20分もかからない。 なのに、そこはもう別世界だ。 突哨山は、標高282mの低い山だ。 でも冬に入ると、話が変わる。 雪に閉じ込められた静けさと、カタクリの群生地として知られるこの山は、季節ごとに全く違う顔を見せる。 来るたびに、また来たいと思わせる場所だ。
突哨山のおすすめスポット
突哨山登山口|ここから、街の音が消えていく
登山口に立った瞬間、風が変わった。
旭川の市街地の喧騒が、嘘みたいに遠くなる。
冬の突哨山は、積雪が1m近くなることもある。
スノーシューを借りて入ったのは午前9時ごろだ。
レンタルは近隣で1,000円前後で借りられる。
踏み固められたトレースが1本、森の中へ続いている。
ほかに人影はない。
足元の雪がキュッキュと鳴るたびに、自分の呼吸が大きく聞こえてくる。
樹林帯に入ると光がやわらかくなった。
白樺と針葉樹が混ざる林は、冬の朝の光を細かく散らす。
それだけで、十分すぎる景色だ。
急登はほぼない。
ファミリーでも歩ける山だけど、なめてはいけない。
冬は装備が命だ。
山頂展望台|旭川がミニチュアになる瞬間
標高282m。
数字だけ聞くと「低い」。
実際に登り始めて30〜40分で山頂近くに出た。
そこで初めて、空が開けた。
大雪山の白い稜線が、ドカッと目に飛び込んできる。
旭川の市街地が、眼下に広がっている。
ビルも、道路も、川も、全部ちいさく見える。
あの場所に自分がいたのかと思うと、不思議な感覚になった。
晴れた冬の日に来ること。
これは絶対の条件だ。
くもりの日は大雪山が隠れて、半分損する。
山頂の気温はマイナス10度を下回ることもある。
風が吹くと体感はさらに下がった。
防寒着はケチらないほうがいい。
それでも、あの景色のために来る価値は間違いなくある。
足が冷たくなるのも忘れて、しばらくそこに立っている。
森の中の静けさ|誰もいない雪原に、動物の足跡だけがあった
下山の途中、ふと足を止めた。
雪の上に、点々と続く小さな足跡があった。
エゾリスか、キタキツネか。
正直どっちかわからない。
でも、その足跡が森の奥へ続いているのを見て、ここに生き物が暮らしているのだと実感した。
突哨山は旭川市民の憩いの場でもある。
でも冬の平日、とくに午前中は人が少ない。
静寂がずっと続く時間があった。
木々の間から落ちる雪のかたまりが、ドサッと音を立てることがある。
それ以外、何も聞こえない時間帯がある。
都市の近くに、こんな場所があるのか。
旭川に住んでいる人たちが羨ましくなった瞬間だ。
帰りに気づいたのは、歩いた時間が2時間を超えていたということ。
それだけ、時間を忘れた。
モデルコース
突哨山への行き方
HUB CITY
札幌(拠点都市)から行ける旅先を見る →