標高1,034m。 冬の美幌岳は、登山というより別世界への扉に近い。 踏み出すたびに雪が沈む。 風が顔を叩く。 それでも足が止まらない。 頂上に立ったとき、屈斜路湖が眼下に広がった。 凍った湖面が、白く光っている。 あの景色は、寒さを忘れさせるほどだ。
美幌岳のおすすめスポット
美幌岳登山口|朝6時、誰もいない雪原から始まる
駐車場に着いたのは朝6時すぎ。
車は1台もない。
気温はマイナス12℃。
スマホの画面がすぐ固まった。
冬季のルートは夏道と少し違う。
雪に埋まった標識を頼りに進む。
スノーシューがあれば心強い。
なければつぼ足でも行けるが、膝まで沈む区間もある。
登山口から頂上まで、約2時間。
距離は片道3.5kmほど。
きつい急登はないが、稜線に出ると風が一変する。
ビュービューじゃなく、ゴーッと鳴る風。
あれは体に堪えた。
それでも振り返ると、樹氷がずらっと並んでいた。
モノクロの世界に、白い華が咲いているみたいだ。
誰もいない静寂に、ただ立っている。
山頂からの眺望|凍った屈斜路湖が、そこにあった
頂上に踏み出した瞬間、風が一気に強くなった。
バラクラバを持ってきて正解だ。
目の前に広がったのは、白い湖。
屈斜路湖が全部見える。
周囲57kmの巨大な湖が、冬は真っ白になる。
その全体を見下ろせるのが、美幌岳の頂上だ。
天気が良ければ、知床の山々も見える。
この日は薄雲があったが、それでも十分すぎた。
写真を撮ろうとしたら、手袋を外した5秒でかじかんだ。
-15℃の世界では、スマホ操作も一苦労。
防寒グローブ対応のタッチペンを持っていくのがいい。
山頂で過ごしたのは15分ほど。
長居は無理だ。
でも、その15分は確かに刻まれた。
言葉にならない景色というのは、ああいうことを言うんだ。
美幌峠の道の駅|下山後の温かさが、しみた
下山してそのまま向かったのが、美幌峠の「ぐるっとパノラマ美幌峠」。
道の駅だが、冬季は営業時間が短い。
9時〜17時が目安。
ここのレストハウスで食べた豚汁が、やけにうまかった。
500円しない。
体が冷え切った後の温かさは、高級料理に勝る。
土産コーナーには地元食材が並ぶ。
じゃがいも・玉ねぎ・乳製品。
値段が安くて種類も多い。
建物の外には展望台もある。
車で来た人はここから屈斜路湖を眺めて帰ることが多い。
でも、山頂から見た景色の後では、物足りなさを感じた。
それが正直なところ。
登って、汗をかいて、凍えて、それからやっと見える景色がある。
美幌岳はそういう山だ。
モデルコース
美幌岳への行き方
HUB CITY
札幌(拠点都市)から行ける旅先を見る →