函館から車で1時間もかからない場所に、こんな山がある。 標高1108m。 そこまで高くない。 でも、冬に行くと別世界だ。 樹氷が枝に張りつき、踏むたびに雪が沈む。 音がない。 風の音だけがある。 この静けさを体験したくて、また行きたくなる山がある。
袴腰岳のおすすめスポット
袴腰岳登山口|冬、ここから別世界が始まる
登山口に着いたのは朝8時すぎ。
気温はマイナス12度だ。
車を降りた瞬間、顔が痛い。
防寒対策を甘く見ていたと後悔した。
スノーシューを履いて歩き始める。
最初の30分は緩やかな傾斜が続く。
ここはまだ楽だ。
登山口から山頂まで約3時間。
コースタイムは夏と大差ないように見える。
でも冬は違う。
雪に足を取られながら進む感覚は、夏の倍以上体力を使う。
それでも誰かがトレースをつけている。
ありがたかった。
1人で来るのは正直怖い山だ。
2〜3人以上で来ることを強くすすめる。
登山口周辺に駐車スペースあり。
台数は10台ほど。
週末は早めに到着しないと埋まる。
稜線への急登|ここで一度、足が止まる
登り始めて1時間半ほどで傾斜が急になる。
ここが核心部だ。
斜度は30度近い場所もある。
スノーシューのかかとを蹴り込みながら登る。
息が上がる。
立ち止まる。
また登る。その繰り返し。
でも振り返ると、函館の街が見える。
函館湾も見える。
あの瞬間、しんどいのを忘れた。
樹木が低くなってきたら稜線が近い。
風が急に強くなる。
バラクラバ(目出し帽)は必須だと実感した。
ゴーグルも持っていくべきだ。
稜線に出ると視界が一気に開ける。
左手に駒ヶ岳。
右手に函館山。
晴れていれば津軽海峡の向こうに本州も見えるらしい。
その日は少し霞んでいたが、十分すぎる景色だ。
稜線での体感温度はマイナス20度を下回ることもある。
立ち止まると一気に冷える。
防寒は過剰なくらいでちょうどいい。
山頂|何もないのに、全部ある
山頂に着いたのは11時ごろだ。
登山口から約2時間50分。
山頂には標識がある。
それだけだ。
小屋も、ベンチも、何もない。
でも360度の展望があった。
函館の市街地が箱庭みたいに広がっている。
海が光っている。
駒ヶ岳の存在感がすごかった。
その日の気温はマイナス15度。
風もあった。
長居できる環境ではない。
それでも20分は立っている。
離れたくない。
下山は1時間45分ほど。
下りの雪面は滑る。
ポールを2本持っていくと安心する。
ゲイターがないとブーツに雪が入る。
下山後は七飯町内の温泉へ直行した。
「しんわの湯」まで車で約15分。
大人600円。
ぬるめの湯が凍えた体に染みた。
あの温度差の気持ちよさは言葉にならない。
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袴腰岳への行き方
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