函館から車で2時間。 看板もほとんどない山道を進んだ先に、突然あらわれる一軒の湯宿。 見市温泉は、そういう場所だ。 誰かに教えてもらわなければ、まず辿り着けない。 冬に訪れると、あたり一面が雪に沈んで、 静寂という言葉の意味をはじめて実感した。
見市温泉のおすすめスポット
見市温泉旅館|雪に埋まった先に、褐色の湯が待っている
建物は古い。
昭和の旅館そのままで、廊下がきしむ。
それが、なぜか心地いい。
湯船は小さめで、4〜5人も入れば満杯になる。
源泉は褐色。
ナトリウム炭酸水素塩泉で、肌がぬるっとする感触がある。
お世辞にも派手な温泉ではない。
でも、一度浸かると出られなくなる。
外は氷点下。
窓の向こうに雪が積もっている。
湯気がもうもうと立ちのぼって、視界が白くなる。
体の芯からじわじわ温まる感覚は、ここでしか味わえない。
日帰り入浴もできる。
料金は大人500円。
午前10時から午後6時まで受け付けている。
タオルは持参したほうがいい。
レンタルはあるが、数に限りがある。
宿泊すると夕食に地元の川魚が出た。
山奥の宿にしては、品数が多くて驚いた。
朝食後にもう一度湯に入って、ようやく帰る気になれた。
見市川沿いの雪道|音が消える、というのはこういうことか
温泉の裏手に、見市川が流れている。
冬は川岸まで雪が迫っていて、水音だけが響く。
長靴で歩いた。
足を踏み出すたびにずぼっと沈む。
30分も歩くと、汗をかく。
川の水は透き通っている。
夏はヤマメが釣れると宿の主人が言っている。
冬でも水は澄んでいて、底の石まで見える。
驚いたのは静けさだ。
風もなかったせいか、雪が音を全部吸い込んでいた。
車の音も、人の声も、何もない。
こんなに静かな場所は、そうない。
歩道という概念がないので、足元は完全に自己責任だ。
滑り止めつきのシューズか長靴は必須。
スニーカーで来ると後悔する。
八雲町市街|帰り道に寄る、静かな港町
見市温泉からの帰り道、八雲町の市街を通る。
噴火湾に面した小さな港町だ。
冬の日本海側は天気が崩れやすい。
この日も、灰色の空が海の上に広がっている。
それでも、漁港の景色には独特の迫力があった。
「ヨーロッパ軒」という古い食堂で昼を食べた。
かつどんを頼んだら、衣が厚くてボリュームがすごかった。
ランチ800円台で腹がはち切れそうになった。
八雲町は乳製品が有名だ。
道の駅に寄ると、地元のチーズやバターが並んでいる。
温泉のあとに買うお土産として、これがちょうどいい。
冷蔵保存が必要なので、帰宅が翌日以降なら保冷バッグを持参したい。
派手な観光地ではない。
でも、そのぶん人が少なくて、ゆっくり歩ける。
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見市温泉への行き方
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