北海道の果て、標茶町の山奥に、その湯はある。 道路から外れ、砂利道を進み、看板もほぼない。 たどり着けるかどうか、半信半疑のまま歩いた。 でも、湯船に沈んだ瞬間にわかった。 ここは本物だ、と。 秘湯という言葉が軽く聞こえるくらい、深くて静かな場所だ。
金花湯のおすすめスポット
金花湯|52度の激熱源泉が、地面から湧き出ている
源泉温度は約52度。
そのまま入ったら、確実に火傷する。
だから加水して、やっと人が入れる温度になる。
湯の色は薄い緑がかった透明。
底が見えるくらい澄んでいる。
でも成分は濃い。
硫黄のにおいが、駐車場に着いた瞬間から漂ってきた。
浴槽はシンプルで、内湯が一つ。
露天もなければ、ロッカーもない。
着替える小屋があるだけ。
それでいい。
この湯には、余計なものが何もいらない。
地元の人が週に何度も通うというのが、よくわかった。
観光で来る場所というより、生活に根ざした湯だ。
入浴時間は30分以内が推奨されている。
熱くて長くは入れないし、体への負担も大きい。
出た後の肌は、しっとりというより、つるっと滑らか。
翌日も効果が続いている。
アクセスの道中|人気がなさすぎて、少し笑った
最寄りは標茶駅。
そこから車で約40分。
ナビに従って走ると、途中から舗装が怪しくなる。
牧草地が続き、鹿が道を横切る。
本当にこの先にあるのか、何度も確認した。
冬は特に注意が必要だ。
2月に訪れたとき、道の半分が雪と氷に覆われている。
4WDでなければ、正直厳しい。
スタッドレスは当然として、チェーンも積んでおいた方がいい。
駐車場は砂利の空き地。
10台ほど停められる。
着いたときは先客が2人だけだ。
静寂というより、無音。
風の音と、湯が流れる音しかしない。
携帯の電波は、ほぼない。
地図はオフラインで保存しておくことを強くすすめる。
ここに来るまでの道のりが、すでに旅だ。
標茶町・虹別エリア|何もないが、それが正解だ
金花湯の周辺には、コンビニも食堂もない。
本当に何もない。
近くにあるのは、酪農の牧場と、広大な湿地帯。
釧路湿原の北端にあたるエリアで、野生動物の密度が高い。
訪れた日は、タンチョウが3羽、道端に立っている。
車を止めて見ていたら、5分ほどそのまま動かない。
北海道に何度か来ているが、あんなに近くで見たのは初めてだ。
虹別の集落には、小さな道の駅がある。
「オーロラ街道」という名前がついている。
地元の乳製品や漬物が買えて、昼食はここで解決した。
ソフトクリームは1個350円。濃くて旨い。
夜は星が凄まじい。
街灯がほぼないから、冬の晴れた夜は天の川が出る。
温泉に入った後、駐車場で空を見上げた。
寒さを忘れるくらい、きれいだ。
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金花湯への行き方
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