道東の果て、中標津からさらに車で30分。 ナビに不安を感じ始めたころ、急に湯気の匂いがした。 養老牛温泉は、そういう場所だ。 辿り着くことに意味がある。 川のすぐそばに旅館が数軒。 それだけの集落に、なぜか何度でも戻りたくなる。
養老牛温泉のおすすめスポット
養老牛温泉の湯|硫黄の匂いと、川のせせらぎだけがある夜
チェックインして最初にしたのは、窓を開けることだ。
川が、すぐそこにある。
距離にして5メートルもないだ。
湯は無色透明、肌にやさしいナトリウム・カルシウム塩化物泉。
温度は41℃前後でゆっくり浸かれる。
露天風呂に入ると、川の音しか聞こえない。
夜9時を過ぎると、星が出てきた。
中標津の空はとにかく広い。
遮るビルも電柱も、ほぼない。
翌朝6時に入った朝風呂が、この旅で一番良かった。
川には霧がかかり、川面が白く光っている。
誰もいない露天で、ただ呆然としている。
15分以上動けない。
冬の養老牛川沿い散策|足跡だけが残る、誰もいない雪の道
朝食のあと、川沿いを歩いてみた。
整備された遊歩道というより、獣道に近い。
雪が30センチは積もっている。
歩いて10分、誰とも会わない。
キツネの足跡だけがあった。
川は凍っておらず、深緑色の水が音を立てている。
水温が高いので、冬でも凍りにくいらしい。
そこだけ別の季節みたいだ。
防寒は本気でしてほしい。
1月の気温はマイナス10℃を下回る日もある。
ホテルのスリッパで出た自分を、少し後悔した。
それでも、この道を歩かずに帰るのはもったいない。
雪の中の静寂は、音楽でも映像でも再現できない。
20分のショートコースでも十分に圧倒される。
中標津の朝市・道の駅|搾りたての牛乳と、でかいジャガイモの話
帰り道、中標津の市街に寄った。
道の駅「酪農ホクレン直売所」的なスポットがある。
牛乳を飲んだ。
200mlで150円。
甘くて、後味に草の香りがした。
本州で飲む牛乳と、明らかに違う。
隣に並んでいたジャガイモが1袋10個入りで300円。
サイズがおかしい。
片手で持てないものが普通に売られている。
中標津の酪農地帯は、地平線まで牧場が続く。
走っていると方向感覚がなくなる。
道が一本、まっすぐ、ずっと続いている。
あの景色だけで来る価値があると思っている。
養老牛温泉は「温泉だけ」じゃない。
この一帯ごと、旅の目的になる場所だ。
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養老牛温泉への行き方
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