北海道の山は、冬になると別の顔を見せる。 馬髭岳もそのひとつ。 標高は高くないのに、尾根に出た瞬間の景色が頭から離れない。 どこまでも続く白い稜線と、遠くに霞む十勝平野。 派手な観光地じゃないから、来る人も少ない。 その静けさが、むしろいい。
馬髭岳のおすすめスポット
馬髭岳登山口|林道の先に、静かな入口がある
登山口へは車で向かうしかない。
最寄りの上士幌町から林道を約30分。
舗装が途切れる手前に駐車スペースがある。
冬は10台分ほどのスペースが雪で半分埋まっている。
朝7時、気温はマイナス14度。
車のドアを開けた瞬間、空気が顔に刺さる。
この痛さが、来た実感に変わる。
入口には古びた木の標識がひとつ。
派手な看板もQRコードもない。
ただ「馬髭岳」と書いてあるだけ。
それが逆に、山への敬意を感じさせた。
登山届は近くのポストに入れる。
用紙は備え付けのものを使った。
冬山なので、必ず記入してほしい。
馬髭岳山頂(標高1,179m)|風が吹いた瞬間、十勝が全部見える
登山口から山頂まで、夏なら2時間。
冬は雪の状態次第で3〜4時間かかる。
ワカンかスノーシューがないと話にならない。
トレースが残っていればラッキーだ方がいい。
尾根に出るまでは樹林帯の急登が続く。
木の枝に雪が積もって、静かだ。
足音だけが聞こえる時間が続いた。
尾根に出た瞬間、風景が一変した。
視界が一気に開ける。
十勝平野が広がって、日高山脈が横一列に並んでいた。
山頂標識は半分雪に埋まっている。
それでも誰かが掘り出した跡がある。
ここまで来た人の気持ちが伝わってきた。
風速は体感で10m以上。
ゆっくり景色を見ていられるのは5分が限界だ。
それでも、来てよかったと思えた。
上士幌町温泉|下山後の1時間が、旅を完成させる
冷え切った体で温泉に入ると、指先がじんじんする。
その痛みがちょうど気持ちいい。
上士幌町には「ぬかびら源泉郷」がある。
登山口から車で約40分。
日帰り入浴は500円から。
ぬかびら温泉は泉質がいい。
ナトリウム塩化物泉で、よく温まる。
露天風呂から見える雪景色が静かだ。
温泉街には宿が数軒並んでいる。
昔ながらの木造の宿が多くて、古さが味になっている。
夜は外に出てみると、星の数が異常だ。
人工の光がほとんどない。
温泉に入って、飯を食って、星を見る。
山の翌日はそれで十分だ。
モデルコース
馬髭岳への行き方
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