飛騨川沿いに湯気が漂う。 冬の下呂は、空気ごと温かい。 日本三名泉のひとつと呼ばれるが、そんな肩書きより先に、川べりの露天風呂を見た瞬間に全部わかった。 ここは、温泉を「浴びに」来る街だ。 観光地っぽい派手さはない。 でも、一度来ると、また来たくなる。
岐阜県飛騨川沿いに広がる温泉街で、日本三名泉のひとつに数えられる。下呂駅を中心に主要スポットは徒歩で回れるコンパクトな規模だ。名古屋から特急で約2時間。川岸にある噴泉池は石組みの小さな湯船で、湯温は約80度。夜に訪れると趣がある。下呂温泉合掌村は白川郷から移築された茅葺きの建物が並び、入場800円で囲炉裏のある空間を歩ける。石段を上った先の温泉寺からは飛騨川と街並みを一望でき、薬師如来が湯の町を守るとされる。湯之島館は昭和6年築の国登録有形文化財で、5万坪の山中に立つ木造三階の宿。下呂駅から無料送迎がある。冬の夜、噴泉池の湯気と川風。
下呂温泉のおすすめスポット
噴泉池|夜の川べりで、裸のまま星を見る
飛騨川のすぐそばに、小さな石組みの湯船がある。
屋根もない。
脱衣所もほぼない。
料金は無料。
それが噴泉池だ。
昼間は観光客で賑わうけれど、夜8時を過ぎると人が減る。
冬の空気は刺さるように冷たいのに、湯は42〜43度くらいでしっかり熱い。
肩まで沈んで、空を見上げた。
川の音だけが聞こえる。
混浴なので水着着用が基本。
タオルで隠しながら入るスタイルでも全然大丈夫だ。
シャンプーや石鹸は使えない。
あくまで「浸かる」だけの場所。
でも、それがいい。
何も余計なものがない温泉って、こういうことだ。
夜、宿のチェックインより先にここに来た。
それが正解だ。
下呂温泉合掌村|雪の中に、昔の暮らしがそのままある
入口で800円払って中に入ると、急に時代が変わる。
白川郷から移築した合掌造りの民家が10棟以上、山の斜面に並んでいる。
冬に来てよかったと思った理由がここにある。
雪が積もった合掌造りの屋根は、写真で見るより何倍もリアルだ。
茅の黒と雪の白のコントラストが、妙にきれいだ。
建物の中は自由に見学できる。
囲炉裏に火が入っていて、煙の匂いがした。
係のおじさんが「昔はこの煙で茅を乾燥させとったんだわ」と教えてくれた。
パンフレットには書いてないことが、会話の中に出てくる。
敷地内に足湯もある。
無料で使えて、合掌造りを眺めながら温まれる。
入場してすぐ右手にある。
見落としやすいので注意。
滞在は1時間半くらいがちょうどいい。
温泉寺|石段を上った先に、静かな時間がある
下呂の街を見下ろす山の中腹に、温泉寺はある。
駅から歩いて15分ほど。
石段が続くので、冬は滑らない靴で来た方がいい。
実際に一段踏み外しかけた。
元々、下呂温泉の湯が突然止まったとき、薬師如来が白鷺に姿を変えて湯の場所を教えたという伝説がある。
そのゆかりの寺だ。
境内は広くない。
でも、静かだ。
冬の平日の午前中、ほとんど人がいない。
本堂の前に立って、飛騨川と温泉街を眺めた。
ここまで来ないと見えない景色だ。
温泉寺の境内には足湯もある。
石段を上って体が温まったころに、ちょうど湯に浸かれる仕組みになっている。
たまたまなのか狙ってるのか、どちらにしても気が利いている。
御朱印は本堂内でいただける。
初穂料は300円だ。
モデルコース
下呂温泉への行き方
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