山の奥に、こんな集落があったのか。 富山市内から車で約1時間半。 庄川沿いの険しい谷を抜けると、 突然、合掌造りの集落が現れる。 五箇山は加賀藩の流刑地だったという。 それほど遠く、深い場所だ。 来てみて初めて、その意味がわかった。
五箇山のおすすめスポット
菅沼集落|9棟だけの、小さくて濃密な世界
菅沼は、相倉より小さい。
合掌造りがわずか9棟。
それだけだ。
でも、この規模が逆によかった。
観光地化された「見せ方」じゃなくて、
生活の匂いがそこにある。
集落内を歩くと、10分もしないで端まで来る。
だから何度も往復した。
庄川を見下ろす高台にあって、
眼下に川の音が絶えず聞こえる。
その音が、思ったより大きくて驚いた。
冬は雪に埋もれる。
想像したら、少し怖くなった。
ここで暮らした人たちは、
何を考えながら夜を越えたんだろう。
駐車場から集落へは、
エレベーターかつづら折りの坂道で下りる。
エレベーターは片道100円。
帰り道、坂を上って気づいた。
思ったより足にくる。
入村料は大人300円。
それだけ払えば、時間を忘れて歩き回れる。
相倉集落|田んぼの中に、23棟が立っている
相倉に着いたのは午後2時すぎだ。
光が山の斜面に当たって、
集落全体がオレンジ色に染まっている。
ここは菅沼より広い。
合掌造りが23棟。
しかも今も実際に人が住んでいる。
集落の中を歩くと、
洗濯物が干してあったり、
軽トラが止まっていたりする。
それが、不思議と安心感になる。
ユネスコの世界遺産に登録されたのは1995年。
もう30年近く経つのに、
観光地っぽい騒がしさがない。
そこがいい。
集落の外れに小高い展望台がある。
上ると集落全体が見渡せた。
ここで写真を撮り続けて、
気づいたら30分経っている。
散居村の田んぼと合掌造りが重なる構図は、
何枚撮っても飽きない。
そういう場所は、そんなに多くない。
入村料は大人500円。
トイレも整備されていて、長居しやすかった。
岩瀬家|300年前の「生活」が、そのままそこにある
岩瀬家は国の重要文化財だ。
でも、そういう説明より先に、
中に入った瞬間のことを話したい。
土間から囲炉裏の部屋に上がると、
天井がない。
見上げると、太い梁が幾重にも組み上がって、
5階建て相当の空間が広がっている。
思わず声が出た。
建てられたのは江戸中期とされている。
およそ300年前の建物が、今も立っている。
囲炉裏には実際に火が入っている。
その煙が、梁の木材を何百年もかけて燻してきた。
燻煙が防腐剤の代わりになるという。
よくできた仕組みだ。
案内してくれたスタッフの話が具体的でよかった。
「ここで養蚕をしていた」
「この部屋は番屋として使われた」
パネルではなく、言葉で伝えてくれる。
滞在時間は30〜40分あれば十分。
でも気づくと1時間いた。
入館料は大人400円。
五箇山で一番「中を見る」価値があった場所だ。
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