日本海沿いに車を走らせていると、急に視界が開ける。 浜田はそういう街だ。 派手さはない。 でも、港の匂いと神楽の太鼓の音が、妙に頭に残る。 食べて、見て、波の音を聞いているうちに、 もう1泊したくなっている。
浜田のおすすめスポット
浜田港|朝7時、競りの熱気がそのまま食卓に来た
朝イチで港に向かった。
目当ては「どんちっち」と呼ばれるアジだ。
脂の乗りが違う、と地元の人に言われている。
港の近くにある市場食堂に入ったのは7時半ごろ。
まだ外は薄曇りだ。
刺身定食を頼んだら、1,200円でこのボリューム。
アジの刺身を口に入れた瞬間、思わず「あ」と声が出た。
甘い。
脂が甘いというのはこういうことか、とはじめて理解した。
港自体は観光地っぽい演出がほとんどない。
漁船が並んで、網が干してあって、それだけ。
そのそっけなさが、かえって本物感があった。
鮮魚を買って帰りたい人は午前中がマスト。
午後には棚が空になっている日も多い。
買い物袋と保冷剤は持参するべきだった、と後悔した。
石見海浜公園|砂浜2kmのスケールに、人が少なすぎた
正直、最初は期待していない。
「海浜公園」という名前がどうしても地味に聞こえる。
着いたら、見渡す限り砂浜だ。
2kmという数字が現地でやっと体感できる。
平日の昼間、人が10人もいない。
この景色を、ほぼ独占している。
水は透明度が高い。
足首まで入ってみたら冷たくて、すぐ引き返したけれど。
夏なら完全に泳げる環境だ。
砂浜の奥には松林がある。
木陰でベンチに座って、ただ波を見ている。
30分くらい経っている。
キャンプ場も隣接していて、設備はそこそこ整っている。
サイト料金は1区画2,000円前後。
夕陽の方向に海があるから、夕方に来るのもありだ。
日没時刻に合わせて行けばよかった、と後から気づいた。
石見神楽(常設上演)|太鼓が鳴り始めた瞬間、空気が変わった
神楽というものを、ちゃんと見たことがない。
民俗芸能、という言葉に少し身構えている。
浜田市内にある神楽の常設上演施設に入ったのは夕方。
料金は大人800円。
席に着いて数分、太鼓が鳴り始めた。
思っていたより、音がでかい。
演目は「大蛇(おろち)」だ。
大蛇の衣装が、舞台いっぱいに広がる。
蛍光色の鱗模様が照明に反射して、妙に現代アートみたいだ。
演者の動きが速い。
息継ぎしているのか心配になるくらい、ずっと動き続けている。
子どもたちが前の席で目を丸くして見ている。
そっちを見て、また舞台に戻した。
終わった後、なぜか拍手しながら少し鳥肌が立っている。
800円で、これだけのものが見られるとは思っていない。
上演スケジュールは事前に確認必須。
週末は複数演目やっている日もある。