高山から電車で15分。 そこに、もうひとつの飛騨があった。 観光客で賑わう高山とは違う、静かな川沿いの町。 瀬戸川には鯉が泳ぎ、白壁が光を跳ね返す。 路地に入ると、ろうそくの匂いがした。 ここは、まだ「日常」が残っている場所だ。
飛騨古川のおすすめスポット
瀬戸川と白壁土蔵街|鯉と暮らす、500メートルの別世界
駅を出て5分も歩けば、もう川沿いに出る。
瀬戸川は、幅3メートルほどの細い水路だ。
でもその透明度が、とにかくすごい。
川底の石まではっきり見える。
そこに、大きな鯉が何十匹もいる。
赤、白、黒。
のんびり泳いでいて、人を怖がらない。
聞けば、地元の人が当番制で餌をやっているらしい。
町ぐるみで育てているのだ。
そういう話を聞くと、この川が愛されている理由がわかる気がした。
川沿いに白壁の土蔵が続く。
江戸時代から明治にかけて建てられたもので、今も現役で使われているものも多い。
朝9時頃に歩いたら、ほとんど人がいない。
光が白壁に当たって、川面に反射して。
あの静けさは、忘れられない。
夕方は光の色が変わる。
どの時間帯に来るかで、まったく違う景色になる。
三嶋和ろうそく店|200年続く火の話を、店主から直接聞いた
土蔵街をぶらぶらしていて、ふと引き寄せられた店がある。
三嶋和ろうそく店。
創業は文化元年、1804年だ。
200年以上、この場所でろうそくを作り続けている。
店に入ると、木の棚にずらりとろうそくが並んでいた。
白、赤、絵が描かれたもの。
値段は1本500円〜2,000円くらい。
店主が声をかけてくれた。
和ろうそくの炎は、揺れるのだと教えてくれた。
西洋のろうそくは芯が細くて炎が安定する。
でも和ろうそくは芯が太く、中が空洞で、炎がゆらゆらと動く。
その「揺れ」が、仏事では魂の動きを表すとされてきたらしい。
そんな話を10分くらい聞いて、気づいたら絵ろうそくを2本買っている。
1,200円。
旅先でこういう買い物をすると、帰ってから飾るたびに思い出す。
それが一番いいお土産だ。
飛騨古川まつり会館|祭りの「迫力」を、祭りのない日に知る
飛騨古川の祭りは、4月19日・20日の年2日しかない。
「起し太鼓」という奇祭で、男たちが真夜中に巨大な太鼓を担いで町を練り歩く。
その祭りを、映像と実物展示で体感できるのがここだ。
入館料は大人700円。
少し高いかな、と思って入ったら、考えが変わった。
メインの展示室に入ると、本物の「やんさか太鼓」がある。
直径1メートル以上、重さは相当なものだ。
そして暗転して、映像が始まった。
夜の古川の路地に、松明の光。
半裸の男たちの怒号。
太鼓の地響きのような音。
スピーカーの音圧が、体に当たってくる感じがした。
これは祭りの「記録」じゃなくて、「再現」だ。
来館時間は30分もあれば見終わる。
でも、それで十分なほど密度が濃い。
祭り本番に来られなかった人ほど、来てほしい場所だ。
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飛騨古川への行き方
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