琵琶湖のほとりに、城がある。 ただそれだけなのに、なぜか引き寄せられた。 彦根は派手じゃない。 でも、歩けば歩くほど、時代の重さが足元に伝わってくる。 天守閣は小さくて、石垣は荒くて、それがいい。 整いすぎていない城下町に、本物の空気が残っている。
彦根のおすすめスポット
彦根城|小さいのに、なぜか圧倒される
入城料800円を払って、坂を登る。
けっこう急だ。
息が上がりはじめたころ、突然、天守が目に入る。
でかくない。
むしろ小ぶりだ。
なのに、立ち止まってしまった。
築400年。
現存する12天守のひとつ。
そういう説明より、目の前の石垣の迫力のほうがよっぽど雄弁だ。
天守内は3階建てで、急な木製の階段が続く。
足元を確かめながら登ると、最上階から琵琶湖が見える。
風が強かった。
遮るものが何もない。
ここで戦った人たちが、この景色を見ていたんだと、
急に現実感がなくなる。
朝イチで行くのがいい。
9時の開城直後は人がほとんどいない。
石垣と天守を、静かに独り占めできる。
玄宮園|城を借景に、時間が止まる庭
彦根城の入場券を買うと、玄宮園も一緒に入れる。
セットで800円。これは正直、安すぎる。
池を中心に、石と松と橋が配置されている。
江戸時代の大名庭園だ。
歩いていると、どこを切り取っても絵になる。
カメラを持っていなかったことを後悔した。
池の向こうに、彦根城の天守が見える。
これが「借景」というやつか、と初めて実感した。
庭と城が、一枚の絵として設計されている。
紅葉の時期に来た友人が「あそこは反則」と言っていた意味が、やっとわかった。
観光客が少ない平日の午前中に来た。
縁台に座って、しばらく動けない。
急ぐ旅でないなら、30分はここで過ごしてほしい。
ただ座って、池を見るだけでいい。
夢京橋キャッスルロード|観光地なのに、なぜか居心地がいい
城を下りて、商店街へ向かう。
徒歩10分ほどで着く。
白壁と黒格子の町並みが続く通りだ。
整備されすぎていて、最初は少し身構えた。
「作られた観光地っぽいな」。
でも、歩き始めると悪くない。
近江牛コロッケを売っている店の前で足が止まった。
1個200円。揚げたてだ。
それだけで許した。
カフェ、和菓子屋、地酒の店、雑貨屋。
ぶらぶら見て回るだけで、1時間くらい経っている。
ひこにゃんのグッズが至るところにある。
彦根城のマスコットキャラクターで、ゆるくて、かわいい。
大人買いしている人を何人も見た。
わかる気がした。
夕方に来ると、また雰囲気が変わる。
ライトアップされた白壁が、昼間と別の顔を見せる。
城下町の夜は、静かで、少し切ない。
モデルコース
彦根への行き方
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