瀬戸内の光は、どこか違う。 やわらかくて、でも鋭くて。 生口島に渡った瞬間、そう気づいた。 レモンの香りが風に混じって、 白い大理石の丘が空に溶けていく。 ここは、「アートの島」という言葉では 全然足りない場所だ。
レモンの香りに包まれた島、それが生口島だ。尾道と今治を繋ぐしまなみ海道の中心に位置し、サイクリストの聖地として知られている。耕三寺は、大阪の実業家・耕三寺耕三が昭和初期に建立した寺院で、その建築美は異次元だ。未来心の丘では、白い大理石の建造物が瀬戸内の青と向き合い、時間の流れが停止したかのように感じさせる。自転車を漕ぐ風音、レモン畑を通る時に鼻をくすぐる爽やかな香り、島道の温もり。島を一周すれば、アートと自然、そして瀬戸内の光に何度も出会う、そんな島。
生口島のおすすめスポット
耕三寺|極彩色の浄土に、迷い込む
入場料は1,400円。
「高いな」と正直思った。
でも、門をくぐった瞬間に後悔した。
後悔の理由は、もっと早く来なかったこと。
京都・奈良・日光の建築を
模倣して作られた伽藍が、
これでもかと並んでいる。
コピーなのに、圧倒される。
その矛盾がずっと頭に引っかかった。
平日の午前10時ごろが狙い目。
観光客がまだ少なくて、
金色の装飾を独り占めできる。
カメラを持って行くなら
ここは絶対外せない。
奥に進むと、雰囲気が一変する。
未来心の丘への入口がある。
耕三寺の拝観料に含まれているのに、
知らない人が意外と多い。
もったいない。
未来心の丘|白すぎて、現実を忘れた
5,000トンのイタリア産大理石。
その数字を聞いても最初はピンとこない。
実際に立つと、わかった。
足元も、壁も、丘全体が白い。
空の青と、大理石の白だけがある。
晴れた日の午後2時ごろ、
光が一番強くなる時間に行った。
目が痛くなるほど白かった。
サングラスを持って行けばよかった。
これは本当に後悔した。
丘の上に登ると、瀬戸内海が見える。
島と島の間に、船がゆっくり動いている。
ここがどこだかわからなくなる感覚。
地中海でも、どこか違う星でもなく、
広島県尾道市の離島だというのが
信じられない。
SNS映えとか、そういう話じゃない。
ただ、ここに長くいたかった。
レモン畑サイクリング|坂道と潮風と、黄色い実
生口島はレモンの産地だと知っている。
でも、畑を自分の目で見るまで
その規模を全然わかっていない。
フェリー乗り場近くのサイクルショップで
Eバイクを借りた。料金は1日2,000円。
島を一周するなら絶対に電動がいい。
アップダウンが思った以上にある。
海沿いを走っていると、突然斜面が黄色くなる。
レモンの木が、段々畑にびっしり並んでいる。
11月から2月が収穫シーズン。
この時期に来ると、農家の方が
作業している様子も見られた。
道端の無人販売所で
袋入りのレモンが200円だ。
そのまま一個かじった。
酸っぱくて、苦くて、なぜか幸せだ。
サイクリングの距離は一周約25km。
3〜4時間あれば十分回れる。
午前中に出発するのが正解。
モデルコース
生口島への行き方
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宿数が少ないため早めの予約を。
広島を拠点に生口島へ日帰り・宿泊の旅も便利です