瀬戸内の光は、どこか違う。 やわらかくて、でも鋭くて。 生口島に渡った瞬間、そう気づいた。 レモンの香りが風に混じって、 白い大理石の丘が空に溶けていく。 ここは、「アートの島」という言葉では 全然足りない場所だ。
広島県・瀬戸内海に浮かぶ生口島は、しまなみ海道の中間に位置する島で、サイクリングとアートで知られる。瀬戸田港へは尾道港からフェリーでアクセスでき、福山からは約1時間。耕三寺は昭和初期に実業家・耕三寺耕三が建立した寺院で、入場料1,400円。境内の建築美は見応えがあり、隣接する未来心の丘には5,000トンのイタリア産大理石が敷き詰められ、白い空間が瀬戸内の青空と対峙する。島はレモンの産地でもあり、サイクリングルートの合間に畑が点在する。瀬戸田港から徒歩2分の宿・Azumi Setodaは明治9年築の豪商邸を再生した旅館で、アマン創業者が手掛ける。白い丘から見下ろす、島と海。
生口島のおすすめスポット
耕三寺|極彩色の浄土に、迷い込む
入場料は1,400円。
「高いな」と正直思った。
でも、門をくぐった瞬間に後悔した。
後悔の理由は、もっと早く来なかったこと。
京都・奈良・日光の建築を
模倣して作られた伽藍が、
これでもかと並んでいる。
コピーなのに、圧倒される。
その矛盾がずっと頭に引っかかった。
平日の午前10時ごろが狙い目。
観光客がまだ少なくて、
金色の装飾を独り占めできる。
カメラを持って行くなら
ここは絶対外せない。
奥に進むと、雰囲気が一変する。
未来心の丘への入口がある。
耕三寺の拝観料に含まれているのに、
知らない人が意外と多い。
もったいない。
未来心の丘|白すぎて、現実を忘れた
5,000トンのイタリア産大理石。
その数字を聞いても最初はピンとこない。
実際に立つと、わかった。
足元も、壁も、丘全体が白い。
空の青と、大理石の白だけがある。
晴れた日の午後2時ごろ、
光が一番強くなる時間に行った。
目が痛くなるほど白かった。
サングラスを持って行けばよかった。
これは本当に後悔した。
丘の上に登ると、瀬戸内海が見える。
島と島の間に、船がゆっくり動いている。
ここがどこだかわからなくなる感覚。
地中海でも、どこか違う星でもなく、
広島県尾道市の離島だというのが
信じられない。
SNS映えとか、そういう話じゃない。
ただ、ここに長くいたかった。
レモン畑サイクリング|坂道と潮風と、黄色い実
生口島はレモンの産地だと知っている。
でも、畑を自分の目で見るまで
その規模を全然わかっていない。
フェリー乗り場近くのサイクルショップで
Eバイクを借りた。料金は1日2,000円。
島を一周するなら絶対に電動がいい。
アップダウンが思った以上にある。
海沿いを走っていると、突然斜面が黄色くなる。
レモンの木が、段々畑にびっしり並んでいる。
11月から2月が収穫シーズン。
この時期に来ると、農家の方が
作業している様子も見られた。
道端の無人販売所で
袋入りのレモンが200円だ。
そのまま一個かじった。
酸っぱくて、苦くて、なぜか幸せだ。
サイクリングの距離は一周約25km。
3〜4時間あれば十分回れる。
午前中に出発するのが正解。
モデルコース
生口島への行き方
📍 Googleマップで見る →現地の駐車場情報は公式サイトでご確認ください
途中の乗換 2 件を表示
宿数が少ないため早めの予約を。
広島を拠点に生口島へ日帰り・宿泊の旅も便利です