川の上に、橋がある。 ただそれだけのことなのに、 錦帯橋を初めて見た瞬間、思わず立ち止まった。 石積みのアーチが5つ、水面にそのまま映り込んでいる。 山口県の片隅にある小さな城下町、岩国。 知名度でいえば地味だ。 でも、来てみると全然違う顔をしている。
岩国のおすすめスポット
錦帯橋|アーチ5つ、釘を1本も使っていない橋の上で
入場料は大人310円。
安い、と思った瞬間に渡り始めた。
木の板が微妙にたわむ感覚がある。
足の裏に伝わる、あの感じ。
コンクリートでできた橋とは明らかに違う。
橋の幅は約5メートル、全長は約193メートル。
5連のアーチを渡りきるのに、思ったより時間がかかった。
景色をぜんぶ見ようとしてしまうから。
錦川の水が澄んでいる。
川底まで見える。
4月上旬に行ったとき、橋の両脇に桜が咲いている。
あれは反則だ。
橋は1673年に建てられた。
洪水で何度も流され、そのたびに再建された。
いまある橋は1953年に復元されたもの。
釘を1本も使わない「木組み」だけで成り立っている。
それを聞いてから、もう一度橋の下に回ってみた。
複雑に組み合わさった木材の塊が、ただ美しかった。
岩国城|ロープウェイ3分、山頂に天守が待っている
錦帯橋を渡ったら、そのまま山を見上げる。
木々の向こうに、天守が見える。
あそこまで行く、と決める。
ロープウェイは片道320円、3分で山頂駅に着く。
そこから天守まで、徒歩で約10分。
坂道が続く。汗をかく。
でも、歩いている間ずっと木陰が涼しかった。
天守は4層4階建て。
外から見るとそれほど大きくない。
でも天守の最上階から見下ろしたとき、息が止まった。
錦川が蛇行している。
錦帯橋が5つのアーチをくっきりと見せている。
吉香公園の緑が広がっている。
その全部が、一枚の絵みたいに収まっている。
岩国城は1608年に築城された。
わずか7年で取り壊しを命じられた、幻の城でもある。
現在の天守は1962年に再建されたもの。
そういう歴史を知ると、山頂からの景色が少し変わって見える。
吉香公園|城下町の空気が、そのまま公園になったような場所
錦帯橋を渡ってすぐ右手に、公園が広がっている。
吉香公園。
最初は「ただの公園か」。
全然違った。
旧岩国藩の居館跡がそのまま公園になっている。
武家屋敷の石垣、蓮池、太鼓橋。
散歩しているだけで、江戸時代の空気に引き戻される感覚があった。
広さは約21ヘクタール。
歩いても歩いても、まだ公園が続く。
錦帯橋・岩国城と合わせて回ると、この公園がちょうど「つなぎ」になる。
移動の途中に自然と立ち寄れる場所にある。
4月の桜の季節は、日本さくら名所100選にも選ばれている。
錦帯橋の桜との連続感がすごい。
川沿いからそのまま公園に入ると、どこまでも桜が続く。
入場料は無料。
ベンチに座って、川風を受けながら食べた冷やしあめが忘れられない。
旅の中の、なんでもない30分だったけど。
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