八百万の神が集まる場所、と聞いても ピンとこない。 でも実際に足を踏み入れたとき、 なぜか背筋が伸びた。 空気が、違う。 出雲は「パワースポット」という言葉では 片づけられない土地だ。 神話がまだ生きている、そんな感覚がある。
出雲のおすすめスポット
出雲大社|朝6時、参道に人はいない
宿を出たのは朝5時45分。
まだ暗い。
松並木の参道を歩くと、砂利を踏む音だけが響いた。
出雲大社の本殿は、一般の参拝者は中に入れない。
でも、その「見えない奥」に向かって頭を下げると、
なぜか妙に真剣になる自分がいた。
ここの拝礼は「二礼四拍手一礼」。
全国の神社と違うので注意が必要だ。
知らずに二拍手で終わらせている人を何人も見た。
注目したいのが「神楽殿の大注連縄」。
長さ13.6メートル、重さ5.2トン。
写真で見るより、圧倒的に大きかった。
真下に立つと、首が痛くなるくらい見上げた。
境内は広い。
全部まわると1時間半はかかる。
ゆっくり歩いて、早足にならないほうがいい。
朝一番が、断然おすすめだ。
稲佐の浜|夕方16時、風が強くて砂が飛んでくる
出雲大社から歩いて約15分。
思ったより近かった。
稲佐の浜は、毎年10月に全国の神々が出雲に集まるとき、
最初に上陸する場所とされている。
その話を知ってから来ると、ただの砂浜ではなくなる。
海は荒々しかった。
波が大きく、風が強くて、帽子を飛ばされかけた。
砂が顔に当たって少し痛いくらいだ。
「弁天島」と呼ばれる岩が沖に見える。
鳥居が立っていて、満潮のときは本当に海に浮いて見える。
夕日の時間に来ると、シルエットが美しかった。
観光客は多くない。
出雲大社の参拝ルートに組み込まれていないせいか、
静かにひとりで海を眺めていられた。
あの静けさは、出雲の中でいちばん好きな時間だ。
帰り道、西日を背に歩いた。
砂が靴に入るのだけ、覚悟しておくといい。
古代出雲歴史博物館|神話を「読む」より「見る」場所
出雲大社のすぐ隣にある。
参拝後にそのまま立ち寄れるのが助かった。
入館料は620円。
それで見られるものの量と質に、少し驚く。
メインの展示は、平成12年に出雲大社境内から出土した「宇豆柱(うづばしら)」。
3本の巨木を束ねた柱の現物が、ガラス越しに目の前にある。
直径約3メートル。
「昔、本殿は48メートルの高さだった」という説があるのだが、
この柱を見ると、あながち嘘じゃないと思えてくる。
荒神谷遺跡から出土した銅剣358本の展示も圧巻だ。
全部並べると、部屋の端から端まで埋まる。
「なぜこんなに」という答えは、まだ誰も知らないらしい。
神話の世界を「信じるかどうか」ではなく、
「出土したものが、たしかにある」という話として見せてくれる。
そのスタンスが、ちょうどよかった。
館内は涼しく、じっくり見ると2時間は過ぎる。
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