雪の中に、サルがいた。 しかも温泉に浸かって、目を細めながら。 そのシュールな光景を一度見たら、忘れられない。 長野県の山奥、標高850メートルの地獄谷。 冬になるほど、ここは面白くなる。
地獄谷野猿公苑のおすすめスポット
地獄谷野猿公苑|マイナス10℃の朝、サルたちは湯船にいた
駐車場から歩いて約30分。
雪道を長靴で踏みしめながら、ようやく着く。
そこに広がっていたのは、想像を超えた光景だ。
湯気の立つ露天風呂に、ニホンザルが数十匹。
気持ちよさそうに目を閉じているやつ。
隣のサルに毛づくろいしているやつ。
こちらを一瞬見て、すぐ興味をなくすやつ。
距離が近い。
柵がない。
フェンス越しではなく、本当にすぐそこにいる。
入苑料は大人1,000円。
営業時間は季節によって変わるが、冬は8:30〜17:00が基本。
朝イチが狙い目で、サルの動きが一番活発だ。
観光客が多い昼前後は、サルより人間の密度が高くなる。
平日の午前中を選んで、正解だ。
雪が降っている日は、特別だ。
白い雪とサルの茶色い毛並み。
湯気が視界をうっすら覆う。
カメラを持つ手が震えたのは、寒さだけじゃない。
湯田中温泉|サルを見た後、自分も浸かりたくなる
野猿公苑から降りてきたら、体が冷え切っている。
指先の感覚が戻らないくらいには、寒い。
湯田中温泉は、その麓にある小さな温泉街。
鄙びた感じが、ちょうどいい。
観光地っぽい派手さがなくて、ほっとする。
泉質はナトリウム・カルシウム塩化物硫酸塩温泉。
とにかくよく温まる。
入って5分で、足の先までじんわり熱くなる感じ。
日帰り入浴できる施設もあって、料金は500〜800円ほど。
「ホテル安田屋」の立ち寄り湯は、昭和の雰囲気が残っていて良かった。
温泉街をぶらぶら歩くと、渋いスナックや小さな土産物屋がある。
リンゴジュースの自販機が、やたら充実している。
長野らしさが、ちゃんとある。
サルが温泉に入っているのを見て、自分も入りたくなる。
そういう流れが、完全に出来上がっている場所だ。
渋温泉|9つの外湯を持つ、本物の湯治場
湯田中から歩いて20分ほど、渋温泉がある。
こっちは、さらに古い。
石畳の路地。
木造の旅館が並ぶ細い道。
夕方に行くと、湯気と提灯の光で異世界みたいになる。
渋温泉の目玉は「九湯めぐり」。
1番から9番まで、外湯が点在している。
宿泊者は無料で全部入れる。
日帰りは基本的に難しいが、渋温泉内の旅館に泊まる価値は十分ある。
それぞれ泉質が微妙に違う。
硫黄の匂いが強いところ、透明度が高いところ、熱くて5分が限界のところ。
全部回ると2〜3時間はかかる。
最後の9番「大湯」は、ひときわ大きくて趣がある。
江戸時代から続く湯治の文化が、まだここには生きている感じがした。
観光で来たつもりが、なんとなく長居してしまう。
そういう温泉街だ。
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地獄谷野猿公苑への行き方
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