山代温泉の古総湯
石川県

山代温泉

温泉冬

Photo by Asturio Cantabrio / Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)

温泉街歩き1泊がおすすめひとり旅向けカップル向け友達と温泉がおすすめ

雪がちらつく夜、石畳の路地を歩いた。 湯気があちこちから立ち上って、街全体が白くぼやけている。 山代温泉は、そういう場所だ。 派手さはない。 でも、来るたびに「また来た」。 1300年前から湯が湧き続けているというのが、歩いているとなんとなくわかる気がする。

石川県加賀市にある山代温泉は、1300年以上の歴史を持つ加賀温泉郷の中核を担う湯の街だ。加賀温泉駅からバスで約15分。中心にあるのが古総湯で、明治時代の共同浴場を復元した温泉街の象徴的な施設。総湯を囲む石畳の広場・湯の曲輪が街の核をなし、夕暮れどきにそぞろ歩きするのに向いている。北大路魯山人が若き日を過ごした魯山人寓居跡 いろは草庵では、土壁の空間で芸術家の原点をたどれる。宿あらや滔々庵は創業八百余年、十八代続く湯元の老舗だ。東京から新幹線を使えば約3時間15分。冬、雪に覆われた温泉街に灯りが点る夜。

Best Season
雪の積もる1〜2月が一番いい。 湯気と雪のコントラストが、山代の本気を見せてくれる。 春の桜シーズンも穴場で美しい。
Stay
1泊おすすめ
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山代温泉のおすすめスポット

01
山代温泉の古総湯|明治の湯に、ただひとりで浸かる夜
Maarten Heerlien from Voorschoten, The Netherlands / CC BY 2.0

古総湯|明治の湯に、ただひとりで浸かる夜

夜8時すぎに入った。

入湯料は450円。

そのくらいの時間になると、観光客がほぼ消える。

古総湯は、明治時代の共同浴場を復元したものだ。

ロッカーもシャンプーもない。

脱いで、入る。それだけ。

タイル張りの浴室に足を踏み入れた瞬間、体温が上がった気がした。

ステンドグラスの窓から外の雪明かりが差し込んでいた。

誰もいない。

お湯は無色透明で、少しぬるっとしている。

pHが高いアルカリ性泉で、肌がすべすべになると聞いていたが、本当にそうなった。

湯舟の縁に腕を乗せて、30分近く動けない。

何も考えない。

これが温泉旅の正解だ。

2階に休憩室もある。

浴衣で上がって、畳に寝転んで天井を見上げた。

あの時間は、お金に換算できない。

■ 古総湯 住所:石川県加賀市山代温泉18-128 料金:450円(税込) 営業時間:6:00〜22:00(最終受付21:30) 定休日:第1・第3水曜日(祝日の場合は翌日)
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02
山代温泉の魯山人寓居跡 いろは草庵|天才の若い日が、ここにある
Asturio Cantabrio / CC BY-SA 4.0

魯山人寓居跡 いろは草庵|天才の若い日が、ここにある

北大路魯山人が山代温泉に滞在したのは、1915年ごろのこと。

まだ無名だった30代の頃だ。

その宿を復元したのが、いろは草庵。

入館料は500円。

中に入ると、思ったより狭い。

天才の痕跡というのは、もっと大げさなものだ。

でも、この小さな部屋で彼は篆刻を磨いて、料理を考えて、器の美学を育てたらしい。

展示されている篆刻作品を間近で見た。

線が恐ろしく細かくて、息をのんだ。

当時の道具でこれを彫ったのか、と。

庭に出ると、雪が薄く積もっている。

縁側から眺める石組みの庭が、冬だと余白だらけで、かえってよかった。

「山代で才能が開いた」という説があるのも、この空気を吸えばわかる気がした。

静かすぎるくらい静かで、集中するしかない環境だ。

30分もあれば見られる。

でも、足が止まる場所がいくつかあった。

■ 魯山人寓居跡 いろは草庵 住所:石川県加賀市山代温泉19-49 料金:500円(高校生以下無料) 営業時間:9:00〜17:00(最終入館16:30) 定休日:水曜日(祝日の場合は翌日)
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03
山代温泉の山代温泉街|夜は歩いて、湯気のにおいを吸いに行く

山代温泉街|夜は歩いて、湯気のにおいを吸いに行く

温泉街の中心に、総湯を囲む「湯の曲輪(ゆのがわ)」と呼ばれる広場がある。

ここを起点に、ぐるっと歩けば15分くらいの小さな街だ。

冬の夜は人が少ない。

それが逆にいい。

石畳に雪が積もって、旅館の灯りが路面に反射している。

そういう絵が、山代にはある。

昼間も歩いたが、お気に入りは夕方5時すぎ。

日が落ちかけて、各宿の玄関灯がともり始める時間帯。

観光地特有の「にぎやかさ」がなくて、生活の温度がある。

地元の人が、傘さして総湯に向かう姿を見た。

手にタオルを持って、普段着で歩いてる。

ああ、ここは本物の温泉地だ。

土産物屋やカフェも数件ある。

でも目当てはそこじゃない。

夜の山代を、ただ歩くことが目的だ。

温泉は入るだけじゃない。

街に浸かるという感覚が、ここにはある。

■ 山代温泉街(湯の曲輪周辺) 住所:石川県加賀市山代温泉(総湯周辺エリア) 散策自由・入場無料 総湯(新館):6:00〜22:00 / 600円
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モデルコース

Day Trip 午前:魯山人寓居跡→昼食(温泉街の食堂)→午後:温泉街散策→夕方:古総湯でひとっ風呂→18時ごろ帰路
1 Night 1日目:昼に到着→魯山人寓居跡→温泉街ぶらり→宿チェックイン→古総湯(夜)。2日目:朝風呂→湯の曲輪周辺をゆっくり散歩→片山津温泉や那谷寺に足を延ばして帰路
Travel Tips 古総湯はシャンプー・リンス持ち込み不可。 タオルは持参か現地で購入(200円)。 週末は昼に混むので、夜か朝イチがおすすめ。 駐車場は湯の曲輪周辺に無料あり。 冬は路面凍結に注意。

山代温泉への行き方

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Parking

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おすすめの宿はこちら

あらや滔々庵

創業八百余年・十八代続く湯元の宿。魯山人も逗留した

📍 加賀温泉駅からバス約15分


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