山代温泉の風景
石川県

山代温泉

温泉

Photo by Aspere / Wikimedia Commons (CC0)

温泉街歩き1泊がおすすめひとり旅向けカップル向け友達と温泉がおすすめ

雪がちらつく夜、石畳の路地を歩いた。 湯気があちこちから立ち上って、街全体が白くぼやけている。 山代温泉は、そういう場所だ。 派手さはない。 でも、来るたびに「また来た」。 1300年前から湯が湧き続けているというのが、歩いているとなんとなくわかる気がする。

石川県加賀市に湧く山代温泉は、1300年以上の歴史を誇る湯の里だ。明治期の建築様式を復元した古総湯では、木組みの天井から差し込む柔らかな光の中、肌にとろりと絡む重曹泉にゆったりと身を沈めることができる。温泉街を少し歩けば、北大路魯山人が若き日に書の修業をした魯山人寓居跡 いろは草庵が当時の佇まいを保ちながら立っており、陶芸家・美食家として名を馳せた人物の原点に触れる場所として訪れる者を惹きつける。冬の夜、雪に白く覆われた山代温泉街に灯る温かな明かりと、湯気が立ち上る静かな路地の光景は、旅人の記憶に深く刻まれる。

Best Season
雪の積もる1〜2月が一番いい。 湯気と雪のコントラストが、山代の本気を見せてくれる。 春の桜シーズンも穴場で美しい。
Stay
1泊おすすめ
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山代温泉のおすすめスポット

01
古総湯|明治の湯に、ただひとりで浸かる夜

古総湯|明治の湯に、ただひとりで浸かる夜

夜8時すぎに入った。

入湯料は450円。

そのくらいの時間になると、観光客がほぼ消える。

古総湯は、明治時代の共同浴場を復元したものだ。

ロッカーもシャンプーもない。

脱いで、入る。それだけ。

タイル張りの浴室に足を踏み入れた瞬間、体温が上がった気がした。

ステンドグラスの窓から外の雪明かりが差し込んでいた。

誰もいない。

お湯は無色透明で、少しぬるっとしている。

pHが高いアルカリ性泉で、肌がすべすべになると聞いていたが、本当にそうなった。

湯舟の縁に腕を乗せて、30分近く動けない。

何も考えない。

これが温泉旅の正解だ。

2階に休憩室もある。

浴衣で上がって、畳に寝転んで天井を見上げた。

あの時間は、お金に換算できない。

■ 古総湯 住所:石川県加賀市山代温泉18-128 料金:450円(税込) 営業時間:6:00〜22:00(最終受付21:30) 定休日:第1・第3水曜日(祝日の場合は翌日)
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02
魯山人寓居跡 いろは草庵|天才の若い日が、ここにある

魯山人寓居跡 いろは草庵|天才の若い日が、ここにある

北大路魯山人が山代温泉に滞在したのは、1915年ごろのこと。

まだ無名だった30代の頃だ。

その宿を復元したのが、いろは草庵。

入館料は500円。

中に入ると、思ったより狭い。

天才の痕跡というのは、もっと大げさなものだ。

でも、この小さな部屋で彼は篆刻を磨いて、料理を考えて、器の美学を育てたらしい。

展示されている篆刻作品を間近で見た。

線が恐ろしく細かくて、息をのんだ。

当時の道具でこれを彫ったのか、と。

庭に出ると、雪が薄く積もっている。

縁側から眺める石組みの庭が、冬だと余白だらけで、かえってよかった。

「山代で才能が開いた」という説があるのも、この空気を吸えばわかる気がした。

静かすぎるくらい静かで、集中するしかない環境だ。

30分もあれば見られる。

でも、足が止まる場所がいくつかあった。

■ 魯山人寓居跡 いろは草庵 住所:石川県加賀市山代温泉19-49 料金:500円(高校生以下無料) 営業時間:9:00〜17:00(最終入館16:30) 定休日:水曜日(祝日の場合は翌日)
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03
山代温泉街|夜は歩いて、湯気のにおいを吸いに行く

山代温泉街|夜は歩いて、湯気のにおいを吸いに行く

温泉街の中心に、総湯を囲む「湯の曲輪(ゆのがわ)」と呼ばれる広場がある。

ここを起点に、ぐるっと歩けば15分くらいの小さな街だ。

冬の夜は人が少ない。

それが逆にいい。

石畳に雪が積もって、旅館の灯りが路面に反射している。

そういう絵が、山代にはある。

昼間も歩いたが、お気に入りは夕方5時すぎ。

日が落ちかけて、各宿の玄関灯がともり始める時間帯。

観光地特有の「にぎやかさ」がなくて、生活の温度がある。

地元の人が、傘さして総湯に向かう姿を見た。

手にタオルを持って、普段着で歩いてる。

ああ、ここは本物の温泉地だ。

土産物屋やカフェも数件ある。

でも目当てはそこじゃない。

夜の山代を、ただ歩くことが目的だ。

温泉は入るだけじゃない。

街に浸かるという感覚が、ここにはある。

■ 山代温泉街(湯の曲輪周辺) 住所:石川県加賀市山代温泉(総湯周辺エリア) 散策自由・入場無料 総湯(新館):6:00〜22:00 / 600円
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モデルコース

Day Trip 午前:魯山人寓居跡→昼食(温泉街の食堂)→午後:温泉街散策→夕方:古総湯でひとっ風呂→18時ごろ帰路
1 Night 1日目:昼に到着→魯山人寓居跡→温泉街ぶらり→宿チェックイン→古総湯(夜)。2日目:朝風呂→湯の曲輪周辺をゆっくり散歩→片山津温泉や那谷寺に足を延ばして帰路
Travel Tips 古総湯はシャンプー・リンス持ち込み不可。 タオルは持参か現地で購入(200円)。 週末は昼に混むので、夜か朝イチがおすすめ。 駐車場は湯の曲輪周辺に無料あり。 冬は路面凍結に注意。

山代温泉への行き方

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