東京から特急で90分。 そこにはぶどう畑が広がっている。 甲府盆地の東端、勝沼は日本最大のワイン産地だ。 ワイナリーが40軒以上ひしめき、収穫期には畑から甘い香りが漂ってくる。 「ワインを飲みに山梨へ」——そう言い訳して、また来てしまった。
勝沼のおすすめスポット
シャトー・メルシャン勝沼ワイナリー|ここで飲む1杯は、東京の5倍おいしい
勝沼のワイナリーを初めて訪れるなら、ここがわかりやすい。
敷地に入った瞬間、ぶどう畑がドンと目に飛び込んでくる。
都市部のワインバーとは、まるで空気が違う。
テイスティングは有料で、1杯400円前後から。
「甲州」という白ワインを頼んだ。
すっきりした酸味の後に、ほんのり果実の甘さが残る。
同じワインをスーパーで買って飲んだことがある。
でも、味が全然違った。
産地で飲む、それだけで1段階うまくなる。
ワイナリーミュージアムも見どころで、日本ワインの歴史が展示されている。
入場は無料。
ワインに詳しくなくても、ただ歩くだけで楽しい場所だ。
売店ではここでしか買えない限定ボトルも置いてある。
帰りのリュックが重くなるのは毎回のことだ。
ぶどう狩り(大善寺周辺農園)|もぎたてを、畑の真ん中で食べる贅沢
9月に来たのは正解だ。
ぶどう畑が一番活気づく季節だ。
農園に足を踏み入れると、頭上にぶどうがびっしりぶら下がっている。
見た目だけで、もう気分が上がる。
食べ放題のプランで40〜60分、1,500円前後が相場だ。
種類によって料金が変わる。
シャインマスカットが人気で、早めに予約しないと満員になる。
ハサミを渡されて、自分でカットする。
もいだ瞬間、皮の張りが手に伝わる。
そのまま口に入れると、甘さが爆発する。
「スーパーで買うぶどうと何が違うの?」と思ってた時期がある。
来てわかった。
鮮度が全然違う。
皮ごと食べられる品種はとくに、口に残るえぐみがまったくない。
農園によっては、持ち帰り用の箱販売もやっている。
お土産に1箱買って帰ると、家族の評判がいい。
大滝湧水|ワインで火照った体に、冷たい水が沁みる
正直、期待せずに立ち寄った場所だ。
大滝湧水は、勝沼の南東に位置する湧き水スポットだ。
林の中に入ると、急に空気が変わる。
ひんやりして、静かで、鳥の声しか聞こえない。
水温は年間を通じて約12℃前後。
夏でも冷たすぎるくらいだ。
手を浸けた瞬間、思わず声が出た。
ワイナリーを2軒はしごした後の午後、この冷たさは本当に気持ちよかった。
飲用できる湧き水で、地元の人がポリタンクを持ってやってくる。
ペットボトルを持参して、持って帰る人も多い。
観光地っぽい整備はされていない。
それがかえっていい。
看板も少ないし、人も多くない。
ぶどう畑とワインの勝沼で、こういう場所が息を潜めている。
知らなかったら絶対に素通りしている。
寄ってよかった、と思えるスポットだ。