標高1,900メートル。 そこに広がるのは、空と草原だけだ。 霧ヶ峰に初めて来たのは7月の終わり。 麓から車で登るにつれ、だんだん視界が開けていく。 そして頂上付近で車を降りた瞬間、 風が全身を包んだ。 「ああ、来てよかった」 その言葉が、自然と口をついた。
霧ヶ峰のおすすめスポット
車山高原|頂上に立つと、世界が広すぎて笑えた
リフトは2本乗り継ぐ。
合計で約15分。
その間ずっと、眼下に広がる緑を見ている。
頂上に着いたのは午前9時ごろ。
まだ人も少なく、空気がひんやりしている。
気温は20度を下回るくらい。
8月でも長袖が要る。
山頂には気象レーダーのドームがある。
白くて丸い、どこか宇宙的な形だ。
その横に立って360度ぐるりと見渡す。
北アルプス、南アルプス、富士山まで見える。
晴れた日は本当に見える。
こんなに広い景色を一度に見たのは、初めてだ。
リフト乗り場のそばに小さな売店がある。
温かいコーンスープが300円。
風に吹かれながら飲むそれが、妙においしかった。
下りは歩いて降りる人も多い。
トレイルはよく整備されていて、スニーカーで十分歩けた。
ニッコウキスゲ群生地|黄色い海が、斜面を埋め尽くしている
7月中旬から下旬が見ごろだ。
これは本当にその通りで、タイミングを外すと何もない。
車山肩の駐車場に車を停めて、斜面を見上げた瞬間。
息をのんだ。
オレンジがかった黄色の花が、斜面を埋めている。
一面、ではなく、本当に全面。
写真で見るよりずっとスケールが大きい。
ニッコウキスゲは一日花だ。
朝に開いて、夕方にはしぼむ。
だから午前中に来た方がいい。
花が生き生きしているのがわかる。
遊歩道は整備されているが、足元は砂利と土。
ヒールは絶対にだめだ。
年によってはシカの食害で花が少ない年もある。
2023年は回復傾向にあったと、現地のスタッフが教えてくれた。
朝霧が残る8時ごろに来ると、
花と霧のコントラストが神秘的だ。
あの光景はしばらく忘れられない。
八島ヶ原湿原|時間の流れ方が、ここだけ違う
湿原に入った瞬間、音が変わった。
風の音と、虫の音だけになった。
八島ヶ原湿原は、日本最南端の高層湿原だ。
標高1,632メートル。
1万年以上かけてできたと言われている。
木道が整備されていて、靴が濡れる心配はない。
一周約4キロ、歩いて1時間ほど。
のんびり歩くなら1時間半見ておいた方がいい。
池塘(ちとう)という小さな水たまりが点在する。
空が映り込んで、絵みたいだ。
植物の種類が多くて、図鑑片手に歩いている人もいた。
そのくらいマニアックに楽しめる場所だ。
気温は車山より低く感じた。
風が湿原から吹いてくるからか、体感で2〜3度は違う。
フリースを持ってきて正解だ。
人が少ない。
平日の午後2時ごろで、すれ違ったのは10人ほど。
この静けさが、ここの一番の魅力だ。
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霧ヶ峰への行き方
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