北見という街の名前を聞いて、ピンとくる人はどれくらいいるだろう。 カーリングの聖地、というイメージが先行しがちだけど、 実際に来てみると、ハッカの香りと、果てしない湖と、静かな公園が待っている。 派手さはない。 でも、ここにしかないものが、確かにある。
北見のおすすめスポット
北見ハッカ記念館|鼻の奥に残る、あの清涼感の正体
建物に近づいた瞬間、ふわっとくる。
ハッカの香りだ。
思っていたより、ずっと強い。
北見はかつて世界のハッカ生産量の7割を担っていた街だ。
それを初めて知ったとき、正直、驚いた。
北海道の片隅の街が、世界を相手にしていたのか、と。
館内の展示はこぢんまりしているが、密度が高い。
蒸留器の実物や、生産工程の写真、当時の輸出記録。
昭和初期の資料を見ていると、街全体がハッカの香りに包まれていた時代が、うっすら浮かんでくる。
売店で買ったハッカ油は、小瓶で500円ほど。
旅の土産としては、かなりコスパがいい。
帰宅後もしばらく、荷物の中からハッカが香っている。
入館は無料。
所要時間は30〜40分あれば十分だけど、もう少しいたくなる場所だ。
野付牛公園|街なかにあるのに、驚くほど静かだ
市街地のど真ん中にある公園なのに、人が少ない。
平日の午後だったせいもあるが、それにしても静かだ。
池の周りをゆっくり歩いてみる。
カモが数羽、こちらを気にする様子もなく泳いでいた。
木々が水面に映って、ちょっと絵になる。
「野付牛」というのは北見の旧地名だ。
アイヌ語が語源だと聞いた。
その名前がそのまま公園に残っているのが、なんとなく好きだ。
ベンチに座って、コンビニで買ったコーヒーを飲む。
観光地っぽくない時間だけど、これが案外よかった。
北見の空気を、観光モードじゃなく感じられた気がした。
バラ園もあって、6月下旬〜7月が見頃らしい。
訪れたのが9月だったので、花は終わっていたのが少し悔しかった。
それだけが心残りだ。
入場無料。駐車場あり。
サロマ湖|この大きさを、写真では絶対に伝えられない
北見市街からクルマで1時間弱。
湖が見えてきた瞬間、思わず声が出た。
日本で3番目に大きい湖。
そう聞いてはいたけど、実際に目にすると、スケールの話じゃない。
湖というより、もはや海だ。
ワッカネイチャーセンターから先は、自転車や徒歩で湖畔を進める。
レンタサイクルは1時間500円ほど。
砂州の上を走りながら、右に湖、左にオホーツク海という景色が広がる。
これは、ちょっとおかしい光景だ。
サロマ湖のカキとホタテは本物だ。
近くの食堂で頼んだホタテバター焼き定食が、確か1,200円くらい。
貝柱がぷっくり厚くて、バターの香りと一緒に口の中で溶けた。
夕方になると、湖面がオレンジ色に変わる。
誰もいない湖畔に立って、その色をぼんやり眺めた。
北見に来てよかったと、強く思った瞬間だ。