地平線まで牧草地が続く。 電柱も、コンビニも、ほとんどない。 ただ草と風と牛と霧だけがある。 根釧台地は、北海道の中でも特別に「何もない」場所だ。 でもその「何もなさ」が、妙に人を引き寄せる。 来るたびに、なぜかまた来たくなる土地がここにある。
根釧台地のおすすめスポット
別海牧場|牛が多すぎて、人間の方が少数派
別海町に入ると、空気が変わる。
草の匂いと、牛糞のにおいが混ざった、独特の濃さがある。
嫌いじゃない。むしろ、ここに来たと実感する匂いだ。
別海町の牛の頭数は、約12万頭。
人口は約1万5千人。
牛8頭に人間1人という計算になる。
この数字、初めて知ったとき少し笑った。
町の中心から外れると、どこまでも牧場が広がる。
柵の向こうに牛が点々としている。
風が吹くと草がざあっとなびく。
それだけの景色なのに、なぜか車を停めてしまう。
朝5時ごろ、牧場の脇の道を走ると搾乳作業が始まっている。
農家の人たちは毎日この時間から動いている。
観光地じゃないから、見せ物じゃない。
ただの、リアルな日常がそこにある。
そのリアルさが刺さる。
野付半島|日本一細長い砂嘴の、その先に何があるか
野付半島は、地図で見ると不思議な形をしている。
細い半島が、海に向かってぐにゃりと曲がっている。
全長28km、最も細いところで幅60mほどしかない。
車で先端に向かって走ると、両側が海になる区間がある。
左を見ても海。右を見ても海。
道だけが続いている。
ちょっと現実感がなくなる瞬間がある。
半島の先にあるのが「ナラワラ」と「トドワラ」。
かつて森だった場所が地盤沈下で海水に浸かり、
立ち枯れた木の残骸が砂地に突き刺さっている。
トドワラに近づいたとき、声が出ない。
木が死んでいるのに、景色として成立している。
ここで見た夕方の空は、今も忘れられない。
雲が低くて、光がオレンジで、風が強かった。
カメラを持っていたのに、しばらく撮れない。
撮ることより、立っていることを選んだ。
霧多布湿原|霧に包まれてこそ、ここは本物になる
霧多布という地名は、正直すぎる。
霧が多い布(半島)という意味らしい。
実際に来てみると、その通りだ。
夏でも気温が15度を下回る日がある。
8月の午前中、霧の中を歩いた。
視界が50mもない。
湿原の木道を歩くと、足元だけが見えている。
草と霧と、遠くで鳴く鳥の声だけがある。
晴れた日とは別の顔がある。
霧が晴れた瞬間、突然青空が広がることがある。
湿原が一気に輝く。
そのギャップが、妙に感動的だ。
面積は3,168ha。
北海道でも有数の湿原で、
タンチョウ、オジロワシ、エゾシカがいる。
望遠鏡なしで、オジロワシが低空飛行するのを見た。
大きさに驚いた。翼が2mはある。
霧多布温泉「ゆうゆ」で入浴(450円)して帰った。
体の芯まで冷えていたから、最高だ。
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