標高900メートルの山の上に、町がある。 お寺が、宿が、墓地が、静かに広がっている。 春、ケーブルカーを降りた瞬間に感じた空気は、下界とまるで違った。 杉の香りと、どこかから漂う線香の煙。 日常から切り離される感覚が、確かにあった。
高野山のおすすめスポット
奥之院|20万基の墓石の中を、ひとりで歩いた
参道の入口に立つと、空気が変わる。
両脇に並ぶ杉の木は、樹齢何百年というものばかり。
足元は石畳で、苔が深く積もっている。
約2キロの参道に、20万基を超える墓石が並んでいる。
戦国武将の墓もあれば、企業の慰霊碑もある。
ロケットの形をした慰霊碑を見つけたとき、思わず立ち止まった。
奥に進むほど、人の声が遠くなる。
午前7時頃に行ったら、ほぼ誰もいない。
その静けさが、少し怖かった。
御廟橋から先は撮影禁止。
弘法大師が今も瞑想を続けているとされる空間だ。
カメラをしまって、ただそこに立った。
言葉にならない何かがあった、としか言えない。
朝6時から入れる。料金は無料。
早朝に行くことを強くすすめる。
金剛峯寺|想像より、ずっと「生きている場所」だ
高野山と言えばここ、という場所。
でも正直、拝観前は「観光用の大きなお寺」だ。
入ってすぐ、台所に案内される。
江戸時代の竈(かまど)が、どんと置いてあった。
一度に400人分の飯を炊いたという規模感に、まず驚く。
奥に進むと、狩野派の襖絵が続く部屋がある。
蟠龍庭(ばんりゅうてい)という石庭は、日本最大級。
2340平方メートルの広さがある。
春は庭を囲む石塀の向こうに、桜が見える。
その組み合わせが、予想外に美しかった。
拝観料は1000円。
所要時間は45分〜1時間くらいが目安。
ゆっくり見ていたら、あっという間に過ぎている。
豊臣秀次が自害した部屋も、そのまま残っている。
歴史の重さが、床板から伝わってくる気がした。
根本大塔|朱色が、春の青空に刺さっている
壇上伽藍エリアに入ると、遠くから見えてくる。
高さ48.5メートルの朱色の塔。
晴れた日の青空との対比が、あまりにも鮮やかだ。
根本大塔は、弘法大師が創建した真言密教のシンボルとされている。
現在の建物は昭和12年に再建されたもので、中に入れる。
内部に足を踏み入れると、中央に胎蔵大日如来像。
四方に金剛界の四仏が並ぶ。
壁面の仏画と合わせて、塔全体が立体曼荼羅になっている。
説明を読んで初めて理解した。
そういう構造なのか、と。
拝観料は500円。
外から眺めるだけでも十分すごいが、中に入ったほうがいい。
4月下旬に訪れたとき、根本大塔のそばに桜が残っている。
朱色と薄桃色と青、その3色が並んだ瞬間の写真は、今も見返す。
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