山が深くなる。 スマホの電波が消える。 そのとき初めて、ここが「特別な場所」だと気づく。 熊野本宮は、アクセスが悪い。 それがいい。 苦労して辿り着いた先に、千年前から変わらない杉の香りと静けさがある。 冬は観光客も少なく、霧の中に鳥居が浮かぶ。 あの光景は、たぶん一生忘れない。
熊野本宮のおすすめスポット
熊野本宮大社|158段の石段を上がった先で、空気が変わった
鳥居をくぐると、空気の質が変わる。
それは比喩でなく、本当にそう感じた。
石段は158段。
急ではないが、段差がバラバラで足元を選ぶ。
冬の朝8時、参拝者はほぼいない。
本殿は4棟が横並びに立つ。
朱塗りと木の色が混在していて、ちぐはぐなのに美しい。
修復した部分と古い部分、その差が逆にリアルだ。
御朱印は500円。
社務所は9時からなので注意が必要だ。
参拝を終えて石段を下りるとき、背後の杉林から風が吹いた。
振り返ったが、誰もいない。
そういう場所だ。
大斎原|田んぼの真ん中に立つ、日本最大の鳥居
本宮大社から歩いて5分。
田んぼ道を進むと、突然それが現れる。
高さ34m、横幅42m。
日本最大の鳥居だ。
でも規模より、立っている場所に驚く。
田んぼの中、である。
背景に里山。
足元に砂利道。
その「素朴さ」が、でかさをさらに際立たせている。
実はここ、1889年の大洪水以前に本殿が建っていた場所だ。
今は石碑と古い社が残るだけ。
でも鳥居の奥に立つと、何かが違う感じがした。
冬の夕暮れ、鳥居が茜色に染まった。
誰もいない。
カメラのシャッターを切る音だけが響いた。
あの静けさは、何度でも戻りたいと思わせる。
川湯温泉|河原を掘ると、お湯が出てくる
冬だけ現れる野天風呂がある。
仙人風呂、という。
熊野川の支流・大塔川の河原を掘って作る、期間限定の巨大な露天風呂だ。
12月〜2月のみ、毎年。
入浴無料。
混浴だが水着着用可。
川の石の上に座ると、足元からお湯が湧いてくる。
源泉が川底から出ているのだ。
温度は42度前後、体感は「ちょうどいい」。
対岸には山、上には星。
雪がちらついた日は、湯気が厚く立ち込めて、隣の人の顔も見えない。
それがまた良かった。
近くに「みどりや」という温泉宿がある。
日帰り入浴は800円、11時〜14時のみ。
ここの内湯も川沿いで、景色がいい。
風呂上がりにまた外が見たくなる、そういう温泉だ。
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熊野本宮への行き方
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