広島から電車で30分。 そこに、日本の近代史が丸ごと沈んでいる街がある。 呉は、観光地という言葉が似合わない。 どこか重くて、静かで、でも確かに熱い場所だ。 港の匂いと、カレーの匂いと、鉄の匂いが混ざり合う。 そんな街に、一度ハマると抜け出せなくなった。
呉のおすすめスポット
大和ミュージアム|10分の1スケールが、圧倒的に巨大だ
入館料は500円。
それで、あの戦艦大和に会える。
館内に入ると、まず10分の1スケールの大和の模型がどんと構えている。
全長26.3メートル。
「10分の1」と頭でわかっていても、見上げるほどデカい。
実物は263メートルだったということを、身体で理解した瞬間だ。
展示は戦時中の兵器や資料だけじゃない。
当時の少年兵の手紙が展示されているコーナーで、足が止まった。
17歳で書かれた字。
きれいな字で、家族への感謝が書いてある。
しばらく動けない。
混雑するのは土日の午前中。
平日の開館直後(9時)に行くと、大和の前で独り占めに近い状態になれる。
それだけでも、平日に来る価値がある。
てつのくじら館|本物の潜水艦に、ただ乗り込む
大和ミュージアムの真向かいにある。
入場無料。
これが信じられない。
館内には実物の潜水艦「あきしお」が、陸の上に展示されている。
全長76メートル。
地上に置かれた黒い鉄の塊を前にすると、言葉が出ない。
中に入れる。
それが一番の驚きだ。
艦内はせまい。
大人の肩幅ギリギリの通路が続く。
ここで乗組員が生活していたことが、にわかには信じられない。
トイレが一番衝撃だ。
数十人で、あの小ささのトイレを共有していたらしい。
潜水艦乗りの過酷さが、ぐっとリアルになる瞬間だ。
所要時間は40〜60分あれば十分。
大和ミュージアムとセットで回るのが鉄板で、午前中にどちらも終わらせた。
呉海軍カレー|昼12時、港町のカレーは本気だ
呉はカレーの街だ。
と聞いていたが、最初は半信半疑だ。
海上自衛隊は、曜日の感覚がズレないように金曜日にカレーを食べる習慣がある。
その文化が根付いた街が呉で、今も複数の店が「海軍カレー」を出している。
旧市街のカレー専門店に入ったのは12時ちょうど。
すでに行列があった。
15分ほど待って、着席。
頼んだのは牛肉カレー(1,000円)。
ルーがどっしりと重い。
甘みと辛みが、きれいに交差している。
ひとくち食べて、「あ、これはちゃんとうまい」。
観光客向けの薄味じゃない。
現役の自衛官が食べているカレーを、民間人が食べている感じ。
ライスの量は多め。
完食したら満腹通り越した。
呉に来たら、昼はカレー一択でいい。