東京から特急で2時間ちょっと。 そこにある静けさが、ここ数年ずっと頭から離れない。 身延は、派手じゃない。 でも、一度行くと何度でも戻りたくなる場所だ。 秋になると、あの杉並木の空気が恋しくなる。 理由は、うまく言葉にできない。
身延のおすすめスポット
身延山久遠寺|287段を登りきった先に、別の世界があった
まず、あの階段に圧倒される。
菩提梯(ぼだいてい)と呼ばれる石段。
急勾配で、287段。
息を切らしながら登った。
所要時間は15分ほど。
でも、途中で何度も立ち止まった。
そのたびに見えてくる景色が変わる。
秋は、両脇の杉が赤く染まった木々と混ざり合って、
なんとも言えない色をしている。
本堂に着いたとき、空がひらけた。
広い境内に、静けさだけがあった。
お参りの人が数人。
観光客のざわめきじゃなく、祈っている人たちの場所だ。
境内には樹齢400年を超えるしだれ桜もある。
秋には葉が落ちて、枝だけになっている。
それがまた、妙に美しかった。
ロープウェイもある(片道1,000円)。
体力に自信のない日は、迷わずそちらを選んで正解。
登りは石段、帰りはロープウェイ、が個人的におすすめのルートだ。
七面山|片道3時間の山道。それでも登る人がいる理由
標高1,982m。
登山口から敬慎院まで、片道約3時間かかる。
体力的にけっこうきつい。
途中で引き返そうか。
でも、登山者と参拝者が一緒に歩いているのが不思議だ。
トレッキングポールを持った人の横で、
白装束で念仏を唱えながら登るお年寄りがいた。
この山は、信仰の山だと実感した瞬間だ。
秋の七面山は、雲海が出やすい。
早朝4時台に山頂付近から見た富士山と雲海の組み合わせは、
正直、言葉を失った。
写真を撮ることも忘れて、しばらく立ち尽くしている。
宿泊施設は敬慎院(1泊2食付き約6,000円)。
設備は最低限だけれど、ここに泊まらないと見られない景色がある。
予約は電話のみ(0556-62-0642)。
シーズン中はかなり早めに埋まるので注意が必要だ。
富士川|何もしない時間が、旅の一番いい部分だ
身延に来て、川沿いをただ歩いた時間が一番印象に残っている。
富士川は、流れが速い。
川幅が広くて、水の色が独特の青みがかったグレーをしている。
秋晴れの午後、川原に下りてみた。
石の上に座って、特に何もしない。
30分くらい、ぼーっとしている。
その間、人が誰も来ない。
身延の町は静かだ。
久遠寺の参道には土産物屋や食堂が並ぶけれど、
富士川沿いまで来ると、
そういう気配がすっとなくなる。
「身延饅頭」は参道の老舗「三共」で買った。
1個120円。
素朴な甘さで、川原で食べたら妙においしかった。
富士川は身延橋からの眺めがいい。
夕方、橋の上から川下を見ると、
山のシルエットが水面に映る。
その景色は、一枚も写真を撮らない。
ただ、見ていたかった。
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身延への行き方
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