冬の鳥取に、ラジウム泉がある。 体の芯まで温めるのに、1時間もかからない。 三朝温泉は、派手さがない。 川沿いに旅館が並んで、橋があって、露天がある。 それだけなのに、なぜかまた来てしまう場所だ。
三朝温泉のおすすめスポット
三徳山投入堂|崖に、誰かが放り投げた建物がある
最初に見たとき、目を疑った。
断崖絶壁の窪みに、お堂が刺さっている。
どう見ても、人間が建てた場所じゃない。
参拝するには、「三徳山三佛寺」への入山が必要。
料金は600円。
ただし、ズック靴NGで登山装備が必要だ。
わらじを400円で借りる人も多い。
入山口で装備チェックがある。
甘く見て行くと、止められる。
実際、スニーカーのグループが引き返させられている。
登山道は険しい。
鎖を握って、岩を這い上がる場面もある。
所要時間は往復で約2時間。
冬は積雪で入山禁止になることもある。
投入堂は、山頂付近の遥拝所から眺めるのが一般的。
望遠鏡越しに見たあの建物の異様さは、写真じゃ伝わらない。
現地で、自分の目で確かめてほしい。
株湯|源泉かけ流し、100円で浸かれる朝がある
朝7時、川沿いを歩いた。
目的地は「株湯」。
三朝温泉で最も熱い源泉のひとつだ。
料金は100円。
番台のおじさんに払って、すぐ脱衣所。
浴槽はひとつだけで、小さい。
「熱い」という話は聞いている。
入った瞬間、声が出た。
体感で46度はある。
地元のおじいさんたちは、普通に浸かっている。
三朝温泉はラジウム泉として有名で、
世界有数の放射能泉の地とされている。
だからといって身構えなくていい。
昔から、地元の人が毎日浸かってきた湯だ。
冬の朝、体が震えている。
熱い湯に入って、一気に全身が目覚めた。
あの感覚は、旅館の大浴場では得られない。
株湯は地元の人との距離が近い。
観光客が少ない早朝がいい。
三朝橋|川の上に、湯気と冬空が混ざる朝があった
三朝橋は、温泉街のど真ん中にある橋だ。
欄干に寄りかかって、川を見下ろした。
橋の下に、露天風呂がある。
河原に設けられた混浴の湯で、
旅館の宿泊者が使う形だ。
冬の朝は特別だ。
お湯から立ち上る湯気が、冷気に混ざって白く広がる。
川の音と、遠くの旅館の明かり。
それだけで、絵になった。
橋の上から眺めているだけでも時間が経つ。
カメラを出したけど、うまく撮れない。
あの空気は、写真に収まらない。
夜も良かった。
温泉街の灯りが川面に反射して、
静かで、人も少なくて、
ただ橋の上に立っている。
派手な観光地じゃない。
でも、三朝温泉に来たなら、
この橋に一度は立ってほしい。
全部が、ここに集まっている気がした。
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