霧が、街を飲み込む。 朝6時、展望台に立つと眼下には白い海が広がっている。 三次はそういう場所だ。 派手さはない。 でも、一度来ると、また来たくなる。 盆地特有の霧、古代の遺跡、丘の上のワイナリー。 そのどれもが、ゆっくり時間をかけて味わうものだ。
三次のおすすめスポット
霧の海展望台|朝6時、そこだけ別の星になる
10月の朝、気温は8度だ。
震えながら展望台の階段を上った。
そして、絶句した。
盆地を埋め尽くす霧の海。
山の頂だけが島のように浮かんでいる。
まるで本当に海の上にいるみたいだ。
霧が発生しやすいのは9月〜11月。
早朝6時前後がピーク。
前日に雨が降った翌朝は、ほぼ確実に霧が出る。
駐車場から展望台まで徒歩5分。
足元が暗いので懐中電灯は必須だ。
この景色のために前泊した。
正解だ。
日が昇るにつれ、霧は少しずつ溶けていく。
その30分間、ずっとそこにいた。
カメラを持っていたのに、途中から撮るのをやめた。
目に焼き付けたかった。
三次ワイナリー|丘の上で飲む地元ワインは、やっぱり違う
ランチの時間に立ち寄るつもりが、気づいたら3時間いた。
三次ワイナリーは1994年開業。
丘の上に立つ白いワイナリーで、眺めがいい。
ここの看板はトモノウというワイン。
辛口でスッキリしていて、飲みやすかった。
グラス1杯600円から試飲できる。
工場見学は無料。
醸造タンクの大きさに驚く。
係の人が丁寧に説明してくれた。
観光地っぽい感じがなくて、むしろよかった。
レストランは11時〜14時のランチ営業。
地元野菜のプレートが1,500円。
ワインと合わせると、もっとおいしい。
帰りに売店でボトルを2本買った。
荷物が重くなっても、後悔しない。
三次のブドウはここで作られ、ここで飲まれる。
その話を聞いて、なんか好きになった。
みよし風土記の丘|古墳が、ただそこにある
正直、期待していない。
「古墳」と聞いてもピンとこなかったから。
入ってみて、考えが変わった。
広大な丘に300基以上の古墳が点在している。
柵も囲いもなく、ただそこにある。
触れる距離に、1,500年前の石室がある。
博物館の入館料は290円。
ここが安すぎる。
展示が本当に充実している。
辻山古墳という前方後円墳が特に印象的だ。
頂上に登ると三次盆地が一望できる。
霧の海展望台とは違う角度で、街が見える。
土日はガイドのおじさんが説明してくれる。
そのおじさんが話し上手で、1時間以上話を聞いた。
三次の歴史が一気に立体的になった気がした。
子どもと来るのもいい。
でも、大人が一人で来るほうが深く楽しめる場所だ。