流氷が来る町、と聞いてずっと気になっている。 海が、凍る。 それを自分の目で見たくて、真冬の紋別まで来た。 札幌からバスで約5時間。 着いた瞬間、空気が違った。 肺に刺さるような冷たさと、どこまでも白い水平線。 ここにしかない景色が、確かにあった。
紋別のおすすめスポット
ガリンコ号|氷を砕く音が、忘れられない
朝8時、紋別港に集合。
乗船料は大人3,000円。
予約は必須で、冬のシーズン中はすぐ埋まる。
ガリンコ号は、砕氷船だ。
船首についた2本のドリルで、氷をぐいぐい砕いていく。
その音が、すごかった。
ゴリゴリ、バキッ。
甲板に出ると、顔が痛い。
たぶん気温マイナス10度近くあった。
それでも、目が離せない。
真っ白な流氷の上に、アザラシがいた。
1頭だけ、ぽつんと。
こちらを見て、すぐ海に消えた。
乗船時間は約1時間。
短いようで、濃い1時間だ。
帰りの船内で飲んだ甘酒が、体に染みた。
オホーツクとっかりセンター|アザラシと、目が合う距離
「とっかり」はアイヌ語でアザラシのこと。
港のすぐそばにある、小さな施設だ。
入場無料。
それだけで、もう好きになった。
ここは傷ついたアザラシを保護・飼育している場所で、観光地というより、どちらかというと保護センターに近い。
プールを覗くと、アザラシたちが泳いでいた。
近い。
ガラス越しに、30センチくらいの距離で目が合う。
まん丸の目で、じっとこちらを見てくる。
かわいいとか、そういう言葉では追いつかない感覚があった。
スタッフの方が丁寧に説明してくれた。
名前もついていて、それぞれ性格が違うらしい。
30分くらいのつもりが、1時間以上いた。
無料なのに、一番長くいた場所だ。
紋別流氷公園|何もない、が正解だ
ガリンコ号乗り場のすぐ隣にある、広い公園。
施設らしい施設は何もない。
ただ、流氷が来る海に面している。
行ったのは1月下旬の午後。
観光客は数人しかいない。
風が強くて、立っているだけで体が揺れた。
でも、目の前の景色が圧倒的だ。
どこまでも続く白。
流氷が海を埋め尽くして、どこが海でどこが陸かわからない。
その境界線が、消えている。
写真では、全然伝わらない。
いくら撮っても、あの「広さ」が写らない。
ただ立って、見ている。
それだけで、来た意味があった。
遠くまで来て、何もしない時間。
紋別に来たら、ここで何もしない時間を絶対に作ってほしい。