能登半島の付け根に、静かな湾がある。 そこに温泉があって、魚があって、山の上に城跡がある。 派手さはない。 でも一度行くと、また行きたくなる。 七尾はそういう場所だ。 海の匂いを吸い込んで、湯に浸かって、風に当たる。 それだけで十分だと気づく旅だ。
七尾のおすすめスポット
和倉温泉|湯の温度が、ちょうど海と同じくらい優しかった
バスを降りると、もう潮の匂いがした。
和倉温泉は、海のすぐそばにある。
本当にすぐそば。
足湯「湯っ足りパーク」は無料で入れて、目の前が七尾湾だ。
午後4時ごろ、夕陽が湾に落ちていく時間に浸かった。
これで無料なのか。
温泉の泉質は塩化物泉。
ぬるっとした肌触りで、湯上がりは肌がしっとりした。
源泉は約91度。
加水して使われているが、それでも成分は濃い。
宿は選択肢が多い。
1泊2万円台から、5万円を超える高級旅館まで。
加賀屋は予約が取りにくいが、周辺の小規模な宿は比較的取りやすかった。
温泉街を夜に歩くと、静かで、灯りが水面に映っている。
観光地らしい喧騒がなくて、それが正直ありがたかった。
能登食祭市場|魚の値段を見て、東京が嫌になった
七尾駅から歩いて15分ほど。
海沿いに、その建物はある。
能登食祭市場。
外観は正直、地味だ。
でも中に入ると、魚の匂いが一気に広がった。
鮮魚コーナーで目が止まった。
ブリの切り身が1切れ200円台。
アジの干物が1枚150円。
値札を二度見した。
地元のおばちゃんたちが普通に買い物している。
観光客向けに盛られた感じじゃない。
生活の場として機能している。
それが良かった。
2階の食堂で昼ごはんを食べた。
海鮮丼が1,500円。
ネタが厚くて、ご飯が隠れている。
能登産のコシヒカリが甘くて、魚の脂と合っている。
お土産コーナーにはいしる(魚醤)が並んでいた。
値段は500円前後。
買って帰って使ったら、料理の味が変わった。
これは本当に買ってほしい一本だ。
七尾城跡|天守はない。でも、ここから見る海が本物だ
山道を車で上がって、駐車場から歩いた。
整備はされているが、ハイキング気分で来ると少し後悔する。
石段が続く。
汗をかく。
七尾城は戦国時代、畠山氏の居城だ。
上杉謙信が攻め落としたことでも知られている。
標高は約300メートル。
天守は残っていない。
石垣だけが残っている。
でも、その石垣の向こうに広がる景色が待っている。
七尾湾が、島が、空が、全部見える。
雨上がりの午前中だったせいか、霞がかかっていて、水墨画みたいだ。
観光客はほとんどいない。
一組、地元の夫婦がいただけ。
静かに、景色を見た。
所要時間は散策込みで1時間ほど。
スニーカーは必須だ。
サンダルで来ていた外国人観光客が、途中で引き返している。
季節は新緑か紅葉の時期が絶対にいい。