日本の果て、という言葉がある。 でも根室に来るまで、その意味を本当にわかっていない。 地平線の向こうに島が見えて、そこに渡れない。 その事実が、静かに刺さる。 花咲ガニをほおばりながら、なんとも言えない気持ちになった場所だ。
地平線の向こうに島が見えるのに、そこへは渡れない。その事実が静かに胸に刺さる。本土最東端の納沙布岬に立つと、天気がよければ水晶島が見える。日本の果てを身体で知る旅は根室でしか叶わない。細い砂嘴の両側に海が広がる野付半島は、冬には流氷が接岸して白と青だけの世界になる。旬の9〜10月には花咲ガニを駅前の食堂で朝から味わえる。根室駅から徒歩5分の北方領土資料館も入館無料で必見だ。拠点は根室駅だが、移動にはレンタカーが必須。防寒対策は季節を問わず必要だ。
根室のおすすめスポット
納沙布岬|日本で最も早い朝日が、ここに落ちてくる
本土最東端。
標識の前で写真を撮る観光客がいる。
でもそれより、灯台の先の海を見てほしい。
天気がよければ、水晶島が見える。
距離にして3.7キロ。
肉眼で見えるのに、渡れない島だ。
朝4時台に起きて来た。
冬の日の出は6時半ごろ。
駐車場には先客が2〜3台いた。
みんな無言で東を向いている。
太陽が水平線から出てくる瞬間、思わず声が出た。
大げさじゃなく、本当に出た。
オーロラタワーの展望台は500円で上れる。
双眼鏡を借りれば島の輪郭がはっきりわかる。
売店の昆布ソフトクリームは350円。
甘さより磯の香りが強くて、これが妙に好きだ。
野付半島|この世の終わりみたいな景色が、ここにある
細長い砂嘴が、オホーツク海に向かって伸びている。
全長26キロ。
その先端に近づくほど、道が細くなる。
トドワラに着いたとき、声を失った。
立ち枯れた木の群れ。
白く、静かで、奇妙に美しい。
地盤沈下で海に沈みかけた木々が、そのまま朽ちた場所だ。
風が強い日は、体ごと持っていかれそうになる。
それでも歩いている。
ほかに観光客はほぼいない。
6月ごろはシマエナガやタンチョウが見られる。
冬はオオワシが木に止まっている。
知らずに行ったのに、タンチョウと目が合った。
あの瞬間のことはずっと忘れない。
ネイチャーセンターでは無料の展示もある。
駐車場からトドワラまで徒歩20分ほど。
長靴があると心強い。
北方領土資料館|「返還」という言葉の重さを、初めて実感した
根室駅から歩いて5分くらい。
入館無料。
そのハードルの低さで入ったのに、想像より深くえぐられた。
島に住んでいた人たちの写真がある。
引き揚げてきた人たちの証言がある。
地図の上ではあんなに近いのに、もう何十年も渡れていない。
数字で見ると現実感がある。
択捉島まで約25キロ。
国後島まで約16キロ。
東京から横浜より近い。
展示はシンプルで押しつけがましくない。
でも静かな怒りみたいなものが、そこにはある。
30分ほどで見終わるが、出た後もしばらく足が動かない。
根室に来て、ここを素通りするのはもったいない。
いや、来たならここに来ないと、半分しか根室を見ていない気がする。
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根室への行き方
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