砂が、鳴く。 そんな話を聞いて、半信半疑で来た。 島根県の小さな町、仁摩。 大田市の南に静かに存在するこの場所は、派手さがない。 でも、来るたびに何かが残る。 波の音、砂の声、桜のトンネル。 ここにしかない時間が、確かにあった。
仁摩のおすすめスポット
琴ヶ浜|砂が、本当に鳴いた日のこと
「鳴き砂」という言葉は知っている。
でも正直、観光用の話だろう。
砂浜に降り立って、足を踏み出した瞬間。
キュッ、キュッ。
本当に音がした。
思わず隣にいた人と顔を見合わせた。
琴ヶ浜は、全長約1.5kmの海岸。
石英を多く含む砂が、摩擦で音を出す。
「環境が汚れると鳴かなくなる」と地元の人が教えてくれた。
だから今も鳴いているということは、ここの海がきれいだということ。
夕方16時ごろ、光が斜めになる時間に来た。
砂がオレンジ色に染まって、誰もいない。
しばらく、ただ立っている。
波の音と、たまに自分の足音だけがあった。
駐車場は無料。
混雑しないので、そこもいい。
仁摩サンドミュージアム|1年かけて落ちる砂を、見上げた
ガラスのピラミッドが、畑の中に突然現れる。
最初に見たとき、ちょっと笑ってしまった。
こんな場所に、これが? という驚き。
中に入ると、全長約1mの巨大な砂時計がある。
「砂暦」と呼ばれていて、1年かけて砂が落ちる。
毎年大晦日に反転させるらしい。
砂を見ていると、時間の感覚がおかしくなる。
落ちているのに、止まっているように見える。
じっと眺めていたら、10分経っている。
館内には鳴き砂の体験コーナーもある。
砂の種類によって音が違う。
それぞれ触って、比べてみた。
入館料は大人660円。
高くはない。
道の駅と隣接しているので、地元の食材も買えた。
琴ヶ浜まで歩いて数分なので、セットで回るといい。
馬路の千本桜|地図に載っていない、春の道があった
地元の人に「桜ならあそこ」と言われて行った。
観光マップにはほとんど載っていない場所。
馬路川沿いに、桜が続いている。
「千本桜」と呼ばれているけど、数えたわけじゃない。
ただ、見渡す限りピンクだ。
人がほとんどいない。
売店もない、屋台もない。
川の音と、花びらが落ちる静けさだけがあった。
桜のトンネルを歩きながら、少し泣きそうになった。
理由はうまく言えないけど、たぶん「独り占め」している感覚だ。
見頃は例年3月下旬〜4月上旬。
朝早い時間に来たほうがいい。
光が川面に反射して、全体がやわらかく光る。
アクセスは車が必須。
近くに小さな駐車スペースがある。
ナビには「馬路」と入れて、川沿いを探すのがいい。
モデルコース
仁摩への行き方
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