兵庫の内陸に、こんな場所があったのか。 新幹線も通らない、派手な観光地でもない。 でも西脇には、ちゃんと理由があった。 日本の重心がここにあること。 糸と織物が生活の中に息づいていること。 来るまで知らなかった顔が、次々と出てくる町だ。
西脇のおすすめスポット
日本のへそ公園|国土の真ん中に立つと、なぜか笑えてくる
東経135度、北緯35度。
その交点が、ここにある。
公園に着いたのは平日の午後2時ごろ。
人はほとんどいない。
モニュメントの前に立って、足元を見た。
「ここが日本の真ん中」という事実を、じわじわ噛みしめた。
特別な絶景があるわけじゃない。
広い芝生と、穏やかな川のせせらぎ。
でも妙に清々しい気持ちになった。
へそ公園と呼ばれているだけあって、
「へそまんじゅう」が売っている。
1個150円。
こしあんがしっかり入っていて、素朴においしかった。
子どもも大人も、みんな「へそ」に笑う。
そういうゆるさが、この公園の正体だ。
モニュメントの周りを一周して、
ただ立っているだけで30分が経っている。
播州織工房館|糸の話を聞いたら、シャツの見え方が変わった
播州織という言葉を、正直それまで知らない。
工房館に入ると、まず機織りの音が出迎えた。
カタン、カタン、という規則的なリズム。
職人さんが手を動かしているのを、しばらく黙って見ている。
ここでは体験もできる。
コースターを織る体験が1回500円。
30分ほどで1枚できる。
実際にやってみると、思ったより力がいる。
縦糸と横糸を交差させる、その単純な繰り返し。
でも少し油断すると、すぐ歪む。
職人さんが1日に織れる量を聞いて、絶句した。
熟練してやっと数メートル。
展示コーナーには西脇産の生地サンプルが並んでいた。
触ると、柔らかさが全然違う。
既製品との差が、手のひらでわかった。
帰り道、自分が着ていたシャツのタグを確認した。
そういう気持ちになる場所だ。
道の駅北はりまエコミュージアム|道の駅と呼ぶには、少しもったいない
「道の駅」という言葉で、軽く見ている。
着いてみて、印象が変わった。
加古川が目の前に広がっている。
川幅が広く、空が広い。
ベンチに座って川を眺めるだけで、気持ちがほどけた。
館内には北播磨の自然や文化を紹介する展示がある。
地元の小学生が作ったような手作り感があって、それが逆によかった。
農産物直売所には地元の野菜がずらり。
西脇で作られた黒豆や、地元の米。
値段は驚くほど安い。
黒豆200グラムで300円だ。
ランチは敷地内のレストランで食べた。
地元食材を使った定食が900円前後。
量がある。
ここで1時間、軽く流すつもりが2時間半いた。
川の音と風があれば、時間がたつのは早い。
エコミュージアムという名前の意味を、帰ってから調べた。
「地域全体を博物館にする」という考え方らしい。
なるほど。